ノーベル生理学・医学賞を大阪大・坂口特任教授が受賞 中外製薬・奥田CEOらが談話
公開日時 2025/10/07 04:49
スウェーデンのカロリンスカ研究所は10月6日、2025年のノーベル生理学・医学賞を大阪大学免疫学フロンティア研究センター特任教授の坂口志文氏ら日米3人に授与すると発表した。坂口氏は、免疫機構のブレーキとも言える“制御性T細胞(Treg)”を発見するなどの功績が評価された。制御性T細胞の研究は関節リウマチなどの自己免疫疾患やがんなどの治療法への活用が期待されている。これを受けて、各界から談話が寄せられた。
◎中外製薬・奥田CEO IFReCとの包括連携「免疫学分野で革新的新薬の創製を目指して邁進する」
▽中外製薬株代表取締役社長最高経営責任者・奥田修氏
いわば免疫機構のブレーキともいえる制御性T 細胞の発見は、自己免疫疾患の病態解明に大きな進歩をもたらしたほか、2018 年にノーベル賞を受賞された本庶佑先生によるがん免疫療法や、新しい治療アプローチとして注目を集める再生医療・細胞治療の領域など、さまざまな分野に発展している。まさに、免疫学領域にとどまらず、幅広く医学に重要な転機をもたらす輝かしい業績として、世界的に極めて高く評価されている。
弊社は2016 年、坂口先生のご所属である大阪大学免疫学フロンティア研究センター(IFReC)と10年間にわたる包括連携契約を締結した。免疫学、生体イメージング、バイオインフォマティクス分野で国内外から世界屈指の研究者が集うIFReC の革新的な免疫学研究は、著名な学術誌で発表されるとともに、権威ある国際賞を多数受賞するなど、世界的に高く評価されている。IFReC による世界最先端の免疫学研究と、長年培われた独自の技術基盤を擁する中外製薬の創薬研究が組み合わさることで、基礎研究から臨床応用研究までがシームレスに展開されることになる。包括連携のパートナーとして、免疫学分野における革新的新薬の創製を目指し、邁進していく。坂口先生のご研究を礎とし、医学と治療にさらなる発展がもたらされることを信じている。
▽上原記念生命科学財団理事長・上原明氏(大正製薬ホールディングス相談役)
「制御性 T 細胞による免疫応答制御の研究」のテーマにより、2007 年度の上原賞を受賞されて以来、当社や財団に様々なご指導をいただいてきた坂口 志文先生の研究のご成果が、世界的に評価されたことは大変うれしいことだ。坂口志文先生の長年のご功績に敬意を表するとともに、ノーベル生理学・医学賞の受賞を心よりお祝い申し上げる。