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GE薬協・澤井会長 1価格帯集約に強い懸念 供給不安や品質問題ではお詫び

公開日時 2019/05/29 03:50
日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)の澤井光郎会長は5月28日、東京都内で開催した定期総会後の懇親会であいさつし、上市から12年経過した後発医薬品は1価格帯を原則とするルールに対し強い懸念を表明した。同会長は「一番低い価格帯(の製品)は上がることがあり得る。本来、薬価と市場実勢価格の差を適切に国民に還元する薬価制度の趣旨に反する」と指摘。来年4月に予定される改定に向け、激変緩和措置を求めていく姿勢を示した。他方、来賓からは、後発医薬品の供給不安や発がん性物質の原薬への混入などの品質問題を受け、苦言が相次いだ。澤井会長は「多大なご迷惑をかける事態が発生した。誠に申し訳ない。お詫び申し上げる」と述べた。

1価格帯については、澤井会長が掲げる重要課題の「後発医薬品を持続的、安定的に供給できる薬価制度の実現」で触れた。澤井会長は、1価格帯ルールの実施で現行薬価制度の趣旨に反する事象が起きることとともに、「ジェネリック産業構造が正しい方向に向かっていくことを妨げかねない」との認識も示した。その上で「来年4月の改定でそのような矛盾が起きないよう、暫定的に別の価格帯を設けるなど、激変緩和措置が必要だと思う」と述べた。主張する以上は、会員各社が安定供給や品質に問題を起こさない事業体制にしていくことを訴えた。

◎来賓からは供給不安や品質問題に苦言

来賓あいさつでは、後発医薬品の供給停止などの供給不安、品質問題に対する苦言が相次いだ。日本医師会の中川俊男副会長は、横倉義武会長の挨拶文を代読し、「信頼を損ねる事態が発生している」と述べた。含有するはすがない成分の混入、承認規格外の製造、供給不安などの問題を挙げ、トレーサビリティの確保、安定供給を強く求めた。また、製薬産業全体にも触れ、「先発医薬品メーカーが長期収載品に依存するモデルから、高い創薬力を持つ産業構造へ転換する業界の取り組みは道半ば」と指摘。その上で「2020年の診療報酬改定に向けて、業界のあるべき姿を整理されたうえで、中医協の議論が進むことを強く望む」と述べた。

日本薬剤師会の山本信夫会長は、「正しい医薬品を選ぶのは薬剤師だが、選んだ薬が途中で供給が止まったり、品質に問題があると、信用に関わる」とし、「さらに品質を上げる努力が必要だ」と対応を求めた。

厚労省の吉田学医政局長は、「頭を痛めているのが品質の保証と安定供給」と話した。課題解決に向け、協力して取り組む姿勢を示した。そのうえで「この取り組みはどこで終わりということはない。引き続き着実に息長く取り組ませていただきたい」と述べた。
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