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日本ケミファ・山口社長 GE事業はシェア確保を重視 製品開発、販路拡大、仕切価を駆使

公開日時 2019/07/04 03:51
日本ケミファの山口一城社長は7月3日、東京本社内で行った記者会見で、国内の後発医薬品(GE)事業について、数量シェアの確保を重視して取り組む方針を明らかにした。市場成長の鈍化と競合激化のため。開発面では、先発品の売上規模重視から、競合の少ないニッチ領域の製品開発を強化する。流通・販売面では、広域卸とともに販社を加えた販路拡大を進める。さらに1価格帯ルールに該当する製品については、仕切価を下げてでもシェアを確保する姿勢を示した。

山口社長は、政府目標のGE数量シェア80%達成が目前に迫ってきたことで「マーケットに天井感が出てきた」と指摘。加えてAGの台頭による市場競争の激化、薬価の毎年改定などで「マーケット環境はさらに厳しくなっていく」との認識を示した。その対策として同社は、ベトナム工場への製品移管による製造のローコスト化に加え、開発、流通、販売の各段階でシェア重視の戦略を展開する。

山口社長は、「先発品のマーケットサイズが大きなものを中心に開発してきたが、そこはAGが出てくる。そこでマーケットサイズ小さくとも、日本ケミファがシェアを取れる製品、AGが出てきそうにもない製品の開発を行っていきたい」と表明。具体的な内容は明かさなかったが、同社によると現在開発中という。

また、販路の多様化で地域のシェアを確保する対策も示した。広域卸ルートに加え、子会社の日本薬品工業による販社ルートの開拓も進め、迅速かつ広くシェアの確保に動ける体制を構築する。今後は、広域卸ルート経由だけだった日本ケミファ製品や新製品も販社ルートに乗せることも視野に入れる。

さらに、上市から12年経過した後発医薬品は1価格帯を原則とするルールに触れ、「(薬価が)一本化される段階になると、価格は大きなファクターにならざるを得ない。柔軟な価格戦略は従来以上にやっていかざるを得ない」と述べ、仕切価の見直しを検討していることを明らかにした。同社は付加価値のあるGEを訴求し、仕切価を比較的高めに設定してきたという。山口社長は、1価格帯に該当する製品については、仕切価が高いままではシェアを奪われかねないとして「苦渋の選択。売上をゼロにはしたくはない。ある程度の仕切価調整をしてマーケットを維持するというイメージだ」と説明した。

◎GE事業の海外展開に着手

山口社長は、国内だけでは成長が望めないとして海外展開に着手したことも明らかにした。中国、ASEANを対象に、開発、製造、販売体制を検討しているという。現地での特許切れに合わせ、迅速に開発を行い、パートナーを通じて販売することを構想する。実施スケジュールは明かさなかった。
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