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理研などの研究チーム 前立腺がん原因遺伝子の特徴明らかに ゲノム医療貢献に期待

公開日時 2019/07/24 03:50
理化学研究所などでつくる研究グループは、世界最大規模となる約2万人のDNAを解析し、日本人の遺伝性前立腺がんの原因になる遺伝子の特徴を明らかにした。研究グループによると、前立腺がんの原因と考えられる遺伝子を解析したところ、発症リスクを上げるゲノム配列「病的バリアント」の保有者が患者の2.9%に上ること、BRCA2、HOXB13、ATMの3遺伝子が発症に関わっていることなどがわかったという。データは、国内外の公的データベースに登録、活用される見通しで、ゲノム医療への貢献に期待が寄せられている。

研究では、前立腺がんの原因と考えられている8個の遺伝子について、患者7636人、対象群1万2366人のDNAを解析した。その結果、DNA配列の型となる遺伝子バリアント1456個を同定し、一つひとつを病的バリアントかどうか調べたところ、136個(9.3%)が病的バリアントと判定した。保有率は、対象群では0.8%にとどまる一方、疾患群では2.9%に上り、病的バリアントをもつことで、前立腺がんのなりやすさが約3.7倍高まることがわかった。

また病的バリアントの頻度について調べたところ、10人以上で共有する頻度の高い病的バリアントが、ATM遺伝子で1個、BRCA2遺伝子で2個、HOXB13遺伝子で1個見つかった。このうち、ATMとHOXB13で見つかった2個のバリアントは、国際的データベースにも登録がなく、新たな病的バリアントであることがわかったという。

研究グループではこのほか、病的バリアントの保有者の特徴として、前立腺がんと診断される年齢が非保有者と比べて2歳若く、喫煙歴や飲酒歴がある人が多いこと、家族に乳がん・膵がん・肺がん・肝がんの患者が多いことなども明らかにしている。

研究グループでは、「今回明らかにしたデータは今後、前立腺がんの患者一人ひとりにあったゲノム医療を行ううえで重要な情報になる」と意義を強調している。

前立腺がんは、世界で2番目、日本人男性では4番目に患者数が多いがん種で、近年患者数が急増している。原因遺伝子の一部には、乳がんの原因遺伝子としても知られるBRCA1、BRCA2が報告されており、同遺伝子に病的バリアントがある場合、乳がんと同様にPARP阻害剤などの薬が効果的であるとされている。このため、遺伝子検査による病的バリアントのデータの収集と解析が求められていた。

研究チームは、理化学研究所、東京大学、Division of Genetics and Population Health, QIMR Berghofer Medical Research Institute、栃木県立がんゲノムセンター、国立がん研究センターの研究者で構成。研究結果は、米国の科学雑誌「Journal of the National Cancer Institute」のオンライン版(6月19日付、日本時間6月20日)に掲載された。

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