給付の哲学に沿った範囲見直しを
「給付と負担」議論の行方
公開日時 2019/07/31 00:00
これからの日本の人口構造は、社会構造や社会システムに影響する。年金、医療、介護など各制度の「給付」と現役世代の「負担」という2軸のバランスが、もはやリスクとなりつつある。社会保障給付の範囲をめぐる議論は、これまで幾度となく行われたが、結論を得るには至らず、改革そのものも小幅な手直しを繰り返すことに終始してきた。2025年には団塊世代への給付が拡大する。一方で、労働生産世代の減少から社会保障制度の存続に絡む構造的な課題が表面化する。2020年度は薬価・診療報酬改定と同時に、給付と負担の見直しについて最終決着を図らなければならないギリギリのタイミングだ。(望月英梨)「団塊の世代が75歳以上に入り始める2022年までに社会保障制度の基盤強化を進め、経済成長と財政を持続可能にするための基盤固めにつな...