米FDA 全身性強皮症に伴う肺疾患治療薬Ofevを承認
公開日時 2019/09/18 03:50
米食品医薬品局(FDA)は9月6日、Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc社のチロシンキナーゼ阻害剤・抗線維化剤Ofev(ニンテダニブ)カプセル剤について、成人における全身性強皮症(全身性硬化症)に伴う間質性肺疾患(SSc‐ILD)の肺機能の悪化を遅らせる適応追加を承認した。同疾患に対する薬剤としてはFDA初めての承認薬。
FDAは、ニンテダニブについて、優先審査および希少疾病薬の指定を行っていた。同剤は、すでに、2014年に他種の間質性肺疾患である特発性肺線維症(IPF)の適応で承認されている。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)の呼吸器・アレルギー・リウマチ製品部長は「ニンテダニブは、いまや、全身性強皮症で間質性肺疾患になっている患者の肺機能の低下を遅らせる治療選択肢となった」と同剤の登場を歓迎した。
Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals, Inc社のThomas Seck上級副社長(医薬品および規制担当)は、同剤は全身性強皮症患者に希望を与えるとしたうえで、「この承認は、Ofevがこの患者集団で肺機能の低下を有意に遅らせることを示したフェーズIII試験のポジティブなエビデンスに裏付けられており、かつ、ベーリンガーインゲルハイムが、希少疾患の分野に貢献していることの好例を示す」とコメントした。
全身性強皮症は、肺など内臓や皮膚の繊維化を呈する希少疾患。間質性肺疾患は強皮症の典型的な症状のひとつで、SSc‐ILDは、徐々に肺機能が低下し、肺が十分に心臓に酸素を供給することが出来なくなり生命を脅かし、全身性強皮症患者の死因のトップとなっている。米国では約10万人が強皮症といわれ、そのうち半数がSSc‐ILD に罹患しているという。