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フェリング iPad音声認識アプリ用いたMRの自己トレーニングツールを導入 販売GLに対応

公開日時 2019/10/16 03:50
フェリング・ファーマは10月15日、医療用医薬品の販売情報提供活動ガイドライン(GL)に則った情報提供・収集活動を行うため、iPad音声認識アプリを活用したMRの自己トレーニングツールを導入し、運用を始めたと発表した。まず夜間頻尿治療薬ミニリンメルトOD錠の口頭説明の自己トレーニングに導入。MRは製品説明のトレーニングシーンを自ら動画撮影して上長に送信し、上長は安全性などに関するキーワードが説明内容に含まれているかどうかや、エビデンスに基づかない説明・表現をしていないかをチェックする。不正確な情報に基づく口頭説明や不適切な表現を未然に防ぐ。

同社は、インタラクティブソリューションズが提供するタブレットソリューション「Interactive-Pro教育Edition」を採用した。同教育Editionは、音声認識とAIを用いたアウトプット教育を実現するためのアプリで、MRによる適正な情報提供活動を支援するとともに、説明力を強化する。

フェリングで泌尿器領域を主に担当するMRは27人、ラインマネジャーは3人。不妊治療・産婦人科領域を主に担当するMRは18人、ラインマネジャーは2人いる。

フェリングは今回、MRなどに貸与しているiPadに、同教育Editionを導入した。MRは、営業車内などのすき間時間を利用して製品説明の自己トレーニングを行い、自らある程度のレベルに達したと判断したら“本番用”に動画撮影する。そして、動画を上長に送信する。上長はあらかじめ設定されたキーワードが、MRの説明にいくつ入っているかなどをチェックする。音声認識機能によりキーワードのチェックは自動化されており、動画を全て見なくても確認できる。合格基準を設け、合格するまでMRにトレーニングしてもらう。

フェリングによると、キーワードには適応症や用法・用量のほか、安全性関係で確実に医療従事者に伝えたいワードを設定している。また、上長による動画全体のチェックも重視しているという。例えば、上長に送信されたMRによるミニリンメルトOD錠の有効性の説明で、「3時間ほどぐっすり眠れるようになる」との表現が見受けられたが、これはNG。「就眠後第一排尿までの時間が180分の患者は82%」などデータに基づく説明なら問題なく、上長はMRのトレーニングの過程で説明内容を修正したという。

なお、実際の営業現場で適正な情報提供が行われたかどうかや、不適切な表現を用いていないかどうかは、上長や本社社員のMR同行でチェックする。情報の受け手となる医療従事者側から、動画撮影や録音の同意をもらえるかどうかとのハードルがあることが理由のひとつとなる。

フェリングは今後、生殖補助医療における黄体ホルモンの補充に用いるルティナス膣錠などに、今回の自己トレーニングツールを導入する予定。

インタラクティブソリューションズの「Interactive-Pro」は20社以上に導入され、同教育Editionはフェリングを含む5社で導入されている。トレーニング過程でのキーワードのチェックにあたり、今後、NGワードが含まれている場合に上長だけが把握できる機能の実装も目指す。
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