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アステラス製薬 米Audentesを3300億円で買収 遺伝子治療を「第5の柱」に

公開日時 2019/12/04 04:52
アステラス製薬は12月3日、米バイオテック企業のAudentes社を約30億米ドル(約3300億円)で買収すると発表した。Audentes社は、アデノ随伴ウイルス(AAV)に基づく遺伝子治療薬の研究開発に注力する企業。X染色体連鎖性ミオチュブラー・ミオパチー(XLMTM)の適応取得を目指す「AT132」に加え、独自の技術プラットフォームや、大規模な製造能力を有する。同日会見に臨んだ、岡村直樹代表取締役副社長は、AAVを商業用に製造できる同社の製造能力の強みを強調。「遺伝子治療分野でのリーディングポジション確立に向けた重要なステップ」と語り、遺伝子治療を「第5の柱」として成長させたい考えを強調した。

◎商業生産につなげる製造技術で開発を加速

「アステラス製薬にとって、試験管ではできるが、それが臨床試験に使え、商業的生産に一本でつながることが課題だった。Audentes社の買収は、買収は我々にとって克服しがたかったチャレンジのギャップを埋める」―。岡村副社長が会見で繰り返したのが、複雑な製造工程をシームレスにつなぐGMPに準拠する製造能力だ。治験段階にあるAT132が上市された際に、全世界の供給を賄う能力があるという。再生・細胞医療では商業化で品質はカギの一つで、製造能力の高さを評価する。この技術を取り込むことで、商業化までの流れを加速させたい考えだ。

Audentes社のリードプログラムである「AT132」は、AAV8キャプシドおよびデスミンプロモーターを使用し、ミオチュブラリン酵素をコードするMTMJ1遺伝子を筋細胞へ導入する。全身に作用し、1度の投与で治療効果を発現することが期待される。臨床第1/2相試験が進行中のXLMTMはX染色体連鎖性の疾患で、MTM1遺伝子の機能欠損変異を原因として発症する。生後18か月時点での推定生存率は約50%で、患者の8割以上が人工呼吸器の補助を必要とする。現在は確立した治療法がなく、支持療法のみが行われている状況にある。AT132は、12例を対象とした臨床第1・2相試験で、「自力で立つ」、「補助有で歩く」、「自力で歩く」などのマイルストーンを達成している。革新的新薬を早期に承認する、米FDAではファストトラック、欧州EMAではPRIME指定を受けている。早ければ米国では2020年中ごろ、欧州では2020年後半の申請を見込む。

◎一般的な疾患への技術活用目指す

アステラス製薬が期待するのが、この開発で構築された、AAVの技術プラットフォームの活用だ。現在のAudentes社の開発パイプラインには、希少神経筋疾患を対象とした6つのパイプラインが揃う。岡村副社長は、「もっと一般的な疾患で、遺伝子技術を活用し、アンメットメディカルニーズを解消することを目指している」と述べ、対象の臓器や疾患拡大にも期待を寄せる。

「Focus Areaアプローチによる価値創造」を経営計画2018での戦略目標に掲げるアステラス。バイオロジーとモダリティー、テクノロジーの独自の組み合わせを見出し、アンメットメディカルニーズの高い疾患への革新的新薬創出を目指す。

◎2020年3月までに買収完了へ


同社は、今後10営業日を目途に、Audentes社の発行済株式すべてをTOB(株式公開買付け)を開始し、20営業日で終える予定。順調にいけば、2019年度第4四半期(2020年1~3月)に買収を完了する見通し。1株当たり、60.00米ドルで、前日(12月2日)の終値(28.61米ドル/株)に対して110%のプレミアムを加えた価格となる。



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