研究者の英知結集、企業も垣根を超えた開発体制構築へ医療崩壊を防ぐために、新型コロナウイルス感染症の重症化を食い止める治療薬の開発が待ち望まれている。国内では、RNAポリメラーゼ阻害薬のファビピラビル（製品名：アビガン、富士フイルム富山化学）と、吸入ステロイドのシクレソニド（製品名：オルベスコ、帝人ファーマ）の併用療法などを中心に、候補薬の有用性を見出す研究が医療現場を中心に懸命に進んでいる。製薬各社も企業の垣根を超えた治療薬開発をオープンイノベーションとして推進するなど、まさに国境を超えたグローバルサイズの治療薬開発が一気に動き出した。世界中の研究者がサイエンスの英知を結集し、暗闇のその先にある光を掴むための壮大なチャレンジが、いま幕を開けた。（望月英梨）国産治療薬アビガン重症患者の６割、軽...