無理に延命する終末期医療や絆で締めくくる介護の不自然さを実感
小説家 篠田節子さん
公開日時 2020/09/30 00:00
1990年に作家デビューして30年、ミステリーやホラー、恋愛小説など幅広いジャンルを執筆してきた。最近では、95年に発表されたパンデミック・ミステリー『夏の災厄』が新型コロナウイルスの感染拡大を受け、再び注目されている。そんな篠田節子氏が2019年、母親の介護と自身の乳がん体験をまとめたエッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』を発表した。「社会派」と評され、緻密な取材でリアリティを持った作品を執筆し、医療や介護の著作もある篠田氏には、実際の医療・介護はどのように映っているのか。(利根川恵子)〔略歴〕1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『...