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独BI・フォン・バウムバッハ会長 吸入投与のSARS-CoV-2中和抗体 年内申請目指す

公開日時 2021/03/25 04:50
独ベーリンガーインゲルハイム(BI)取締役会のフベルトゥス・フォン・バウムバッハ会長は3月24日に開いた2020年業績のウェブ説明会で、吸入投与のSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)中和抗体・BI767551について、2021年中に緊急使用許可申請を目指す考えを明らかにした。現在、第1相/第2a相臨床試験を実施中。この中和抗体は感染部位で新型コロナウイルスをブロックする新しい治療や予防の選択肢となる可能性があるとしている。

フォン・バウムバッハ会長はBI767551について、「今年の終わりまでに十分なデータが集まり、新型コロナの治療薬として、緊急使用許可の申請ができることを願っている」と述べた。同社日本法人広報部は本誌に、年内に欧州で緊急使用許可申請を目指すとの考えを示したものと説明した。

BI767551は、ドイツのケルン大学病院、マールブルク大学、ドイツ感染症研究センター、BIが共同で研究開発しているもの。ケルン大学病院で新型コロナから回復した患者の血液サンプルに由来する。

同社によると、「ウイルス中和抗体は、ワクチンや薬物治療薬以外の介入策を補完し、SARS-CoV-2に対する重要な防衛線になると期待されている」という。現在、軽症から重症の患者の治療オプションとして、また、感染リスクや重症化リスクが高い人に対する予防策として、研究が進められている。吸入によってBI 767551を肺に直接送達できるため、気道をウイルス感染から迅速に保護できる可能性があるとしている。

■研究開発費は過去最高の4500億円 新型コロナやKRAS関与のがんにフォーカス

同社は20年に、研究開発費として前年比7%増となる37億ユーロ、日本円で約4506億円を投入した。同社の136年の歴史の中で年間投資額として最高額になる。売上に占める研究開発費率は18.9%。特に新型コロナの治療薬候補の研究を加速させたほか、アンメットメディカルニーズの高い疾患・患者に重点的に投入した。

重点領域のひとつに位置付けるがん領域について、フォン・バウムバッハ会長は、特にKRAS変異が関与するがんにフォーカスして研究開発していく姿勢をみせた。KRAS変異はほとんどの膵臓がんのほか、多くの大腸がんや肺がんの原因とされる。同会長は「KRASのスイッチをオフにする薬は承認されておらず、これまで創薬不能と考えられてきたが、もはや真実ではない」と述べ、KRAS阻害薬や他剤との併用療法の開発を進める考えを示した。「当社のKRASポートフォリオはKRAS変異によるがんの治療を可能にするマスターキーになるかもしれない」と期待感を示した。

■グローバルにジャディアンス、オフェブ好調

同社の20年業績は売上195億7000万ユーロ(約2兆3831億円、前年比3%増)、税引き後利益は30億6000万ユーロ(約3726億円、12.5%増)だった。

売上合計のうち医療用医薬品売上が144億ユーロ(約1兆7560億円、5.8%増)で、売上合計の74%を占めた。特に2型糖尿病治療薬ジャディアンスが24億8000万ユーロ(約3020億円、現地通貨ベースで前年比18%増)、特発性肺線維症などの治療薬オフェブが20億6000万ユーロ(約2509億円、同41%増)と好調で、業績全体をけん引した。日本の売上は13億3000万ユーロ(約1620億円、同6.2%増)だった。

同社のミヒャエル・シュメルマー財務担当取締役はウェブ説明会で、「パンデミックの年でも成功の年だった」とし、訪問規制の中でも「デジタルコミュニケーションチャネルを使って高い目標を達成できた」と話した。
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