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厚労省 JAK阻害薬オルミエントの「新型コロナによる肺炎」の効能追加を正式承認

公開日時 2021/04/23 15:40
厚生労働省は4月23日、日本イーライリリーの経口JAK阻害薬オルミエント錠2mg、同錠4mg(一般名:バリシチニブ)に、「SARS-CoV-2による肺炎(ただし、酸素吸入を要する患者に限る)」の効能・効果を追加することを承認した。

新型コロナに係る入院医療は全額公費負担となっている。同省は本誌取材に、オルミエントの今回の追加効能についても全額公費負担の対象と説明した。

対象患者は、新型コロナによる肺炎で酸素吸入、人工呼吸管理、体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する中等症から重症の患者となる。入院下において、抗ウイルス薬レムデシビル(一般名)と併用して、バリシチニブとして4mgを1日1回経口投与で用いる。ただ、経口投与ができない患者には同剤を粉砕・懸濁して胃瘻や経鼻胃管などで使用する。

今回のオルミエントの新型コロナによる肺炎の効能追加は、21日の薬食審医薬品第二部会で承認することが了承されたばかり。わずか2日での正式承認となった。この点について厚労省は本誌取材に、「迅速に適切に手続きを行ったもの」とのみ答えた。新型コロナに対する治療選択肢が限られていることや、新型コロナの感染者の急増が背景にあるとみられる。

日本イーライリリーの吉川彰一・バイスプレジデント(執行役員 研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部)は、「SARS-CoV-2による肺炎の患者さんに対する治療には、未だ多くの課題がある」とした上で、「今回、適応追加の承認を取得したことで、オルミエントを、酸素吸入を必要とする SARSCoV-2による肺炎の入院患者さんへお届けすることができるようになった。今後も当社が果たすべき役割を進めるため、SARS-CoV-2による感染症の研究開発を全力で進めて、より良い治療の実現を目指していく」とコメントした。

オルミエントの新型コロナによる肺炎に対する有効性と安全性は、新型コロナの入院患者に対するバリシチニブ使用を評価した、米国国立衛生研究所(NIH)傘下の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)主導の国際共同第3相試験(ACTT-2)で確認された。

同試験は8か国67施設で1033人の患者が登録され、バリシチニブとレムデシビル併用療法群とレムデシビル単独療法群について、主要評価項目を「治療期間における回復までの期間」として評価した。その結果、全患者(1033人)では回復までの期間がバリシチニブ群は7日、対照群は8日で統計学的に有意に1日短縮した。酸素吸入や人工呼吸器を必要とするいわゆる重症患者216人にしぼって評価したところ、回復までの期間はバリシチニブ群は10日、対照群は18日で、バリシチニブ群で有意な期間の短縮を示した。

【追記】オルミエントの公費負担に関して追記しました。(4月23日17時15分)
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