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医師が理想とする新薬の情報源 AMTUL分析の全段階で1位がデジタル 2位にMR 5年前と首位交代

公開日時 2021/05/28 04:52
新薬を医師に初めて知ってもらい、最終的にメインの薬剤として処方されるまでを5段階に分けて、段階ごとに医師に理想とする情報入手チャネル(情報源)を聞いたところ、全段階でトップがデジタル系チャネル(インターネットサイト、ネット講演会)となり、MRチャネル(面談、電話、メール)は2位となったことがわかった。5年前の同様の調査と比べ、1位と2位が逆転した。今回、GP/HP別でも同様の結果が確認された。これは医薬品マーケティング支援会社のエム・シー・アイ(以下、MCI)が2021年2月に実施した医師約5000人を対象とした意識調査結果で、「医師版マルチメディア白書2021年春号」に掲載している。

◎処方に結び付いていない実態も

コロナ禍によって、医師のデジタル系チャネルを用いた情報収集頻度は高まっている。今回の調査結果は現在の市場環境を反映したものといえる。ただ、コロナ以前ほど新薬の採用や処方数が伸びていないとの実態もある。今後、デジタル系チャネルでの情報提供と、きめ細やかな情報活動が可能なMRチャネルを組み合わせた活動で医師ごとに丁寧に疑問や懸念に応え、新規処方や処方増につなげることがより重要になりそうだ。

実際、最小単位での理想とする情報入手チャネルをみると、当該新薬を初めて知り、新規採用や1例目処方までは、HPであっても「MR(面談、電話)」がトップを守ったことも確認された。

◎新薬版AMTULごとに13チャネル用意 理想とするチャネルは?

MCIは今回、製薬企業サイトや医療関係企業サイトを閲覧している医師5077人を対象に、購買プロセスを表すモデルで良く使われる「AMTUL」(読み:アムツール)の段階別に、医師に理想的な情報チャネルを聞き、集計した。調査時期は21年2月4日~18日。

AMTULは、認知(Aware)、記憶(Memory)、試用(Trial)、日常使用(Usage)、愛用(Loyalty)――の頭文字をとったもの。MCIが今回実施した新薬版のAMTULは、▽認知(A):医師が当該新薬について初めて知るとき、▽理解(M):処方経験がない薬剤の特徴を理解するとき、▽採用検討(T):未処方薬剤の採用や処方開始を検討するとき、▽処方拡大(U):処方患者数を増やす判断をするとき、▽継続処方(L):使い慣れた薬剤の継続を判断するとき――と定義した。

調査では、AMTULの5つの段階別に、「情報収集において理想的な情報チャネル」として13チャネル(MR(面談、電話)、MR(メール)、ネットサイト、ネット講演会、製薬企業主催勉強会、学会誌、学会、医師仲間――など)を用意。その上で、医師に、AMTULの5つの段階ごとに合計100%になるよう理想とするチャネルに数値を入力してもらい、平均値を算出した。

◎採用検討時の理想のチャネル デジタル29%、MR24%だが・・・

その結果、デジタル系チャネル(ネットサイト、ネット講演会)から情報入手したいとの割合は、認知(A)の段階で31.9%、理解(M)は31.3%、採用検討(T)は29.4%、処方拡大(U)は28.9%、継続処方(L)は27.4%――となった。デジタル系チャネルの特徴として、認知、理解の割合が高いのに比べて、採用検討、処方拡大、継続処方の割合が若干低下しているところが気になるところだ。

MRチャネル(面談、電話、メール)から情報入手したいとの割合は、認知(A)は24.6%、理解(M)は24.5%、採用検討(T)は24.3%、処方拡大(U)は21.4%、継続処方(L)は19.7%――で、各段階でデジタル系を7ポイント程度下回った。MRチャネルについては、認知、理解、採用検討までのフェーズは比較的同じ割合を維持しているのが特徴で、デジタル系チャネルとの違いも見えている。

MCIによる5年前の16年4月実施の調査結果と比べると、MRチャネルから情報入手したいとの割合は今回、各段階で7~8ポイント程度落ちた。一方で、Web講演会が伸びたため、MRチャネルとデジタル系チャネルの首位逆転につながった。

◎「MR(面談、電話)」だけで20%キープ

しかし、今回調査を最小単位の13チャネル別にみると、「MR(面談、電話)」が認知(A)、理解(M)、採用検討(T)までの3段階で各20%をキープし、「ネットサイト」や「Web講演会」を上回ってトップとなった。デジタルチャネル全体に対してMRチャネルは後塵を拝したが、「MR(面談、電話)」の影響力はまだ高水準にある。

なお、ミクスが5月7日付で配信したニュース「処方変化の際の情報源 『ネット講演会』が『MRの面談・電話』を上回る MCI調べ」では、処方変化の際の情報源として「ネット講演会」が「MR(面談・電話)」を0.1ポイント上回ったことを紹介した。今回はある新薬を初めて知り、処方し、愛用するまでの段階別の理想的な情報源を紹介したものとなる。

◎GP市場 採用検討時 デジタル系チャネル31.7%、MRチャネル30.4% 

GP/HP別にみると、GPではMRチャネル(面談、電話、メール)から情報収集したいとの割合が、認知(A)31.1%、理解(M)30.1%、採用検討(T)30.4%、処方拡大(U)26.9%、継続処方(L)27.9%――となり、特に「MR(面談、電話)」のニーズが高かった。しかし、デジタル系チャネル(ネットサイト、ネット講演会)は5段階全てでMRチャネル(面談、電話、メール)を上回り、認知(A)32.3%、理解(M)33.3%、採用検討(T)31.7%、処方拡大(U)30.7%、継続処方(L)29.2%――となった。

◎HP市場 継続処方時は「学会(学会誌含む)」がMRチャネル上回る

HPでは、MRチャネル(面談、電話、メール)から情報入手したいとの割合は、認知(A)22.8%、理解(M)22.9%、採用検討(T)22.6%、処方拡大(U)19.6%、継続処方(L)17.3%――。デジタル系チャネルからは、認知(A)31.8%、理解(M)30.8%、採用検討(T)28.6%、処方拡大(U)28.3%、継続処方(L)27.0%――で、各段階でMRチャネルを4ポイント程度上回った。

しかし、HPでも、「MR(面談、電話)」が認知(A)及び理解(M)の段階で2位の「ネットサイト」を僅差ではあるが上回った。採用検討(T)の段階では、2位の「ネットサイト」に2.6ポイントの差をつけて首位だった。新規採用や1例目処方時の「MR(面談、電話)」のニーズの高さがうかがえる。

HPでは「学会(学会誌含む)」からの情報を求める比率が高いことも確認された。「学会(学会誌含む)」から情報収集したいとの割合は、認知(A)の段階で17.7%、継続処方(L)の段階で17.6%となり、ほかの3段階でも16%前後だった。特に継続処方(L)の段階での「学会(学会誌含む)」チャネルは、MRチャネルを0.3ポイントと僅かではあるものの上回った。

このデータから、医師の処方感が固まったフェーズでは、医師同士の情報交換や情報共有が処方継続や処方増により効果的と解釈できる。例えばこのフェーズでは、リモートでの医療者向け小規模勉強会を企画すると、処方増などにより効果的かもしれない。

文末の「関連ファイル」に、新薬版AMTULの5つの段階ごとに医師が理想とする情報入手チャネル(全体、GP/HP別)に関する資料を掲載しました。有料会員のみダウンロードできます。2週間の無料トライアルの申込みはこちら

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