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厚労省 がんの緩和ケア部会初会合 診断時からの緩和ケアの普及と充実に向け議論

公開日時 2021/07/06 04:48
厚生労働省は7月2日、「がんの緩和ケアにかかわる部会」(座長:中川恵一・東京大学大学院医学系研究科特任教授)の初会合を開催した。会合では、診断時からの緩和ケアの普
及と充実が進んでいない現状があることを踏まえ、充実に向けた議論がなされた。特に診断時からの緩和ケアと早期の緩和ケアを整理する必要性などが指摘された。

2022年度を最終年度とする第3期がん対策推進基本計画においては、「がんとの共生」が柱のひとつに掲げられている。なかでも、がんと診断された時からの普及と充実などが大きな課題とされている。このテーマについてはこれまで「がんとの共生のあり方に関する検討会」のもとで議論されてきたが、今回から専門部会を設けて議論が始まった。

小川朝生構成員(国立がん研究センター先端医療開発センター 精神腫瘍学開発分野分野長)は診断時の課題として「診断時からの緩和ケアの内容が明確でないため具体的な活動に至ってない」、「系統的なスクリーニングがほとんど実際されていない」、治療期では「外来での緩和ケアの提供が積極的に行われてない」、さらに終末期の緩和ケアは多くは拠点病院以外の地域の病院で行われている現状に言及し、「緩和ケアの資源がない」「緩和ケアの教育が行き届いていない」などをあげた。

なかでも診断時の緩和ケアについて小川氏は、「診断時からの緩和ケアと早期の緩和ケアとの混同がみられる」と述べた。早期の緩和ケアは進行がん患者に対してより早く専門的な緩和ケアを提供し、QOLの向上を目指すものと説明。これに対し、診断時からの緩和ケアは基本計画に記載されている精神心理的苦痛に対する心のケアを含めた全人的な緩和ケアであるとして、その違いを周知する必要性を説いた。また、診断時からの緩和ケアを普及させていく1つの方策として、拠点病院の多くが入退院支援を行っていることから、「フローに組み込んで支援していくなどが考えられる」と例示した。

◎診断時と専門的な緩和ケアの峻別を

これに対し、木澤義之構成員(日本緩和医療学会理事長、神戸大学医学部附属病院緩和支持治療科 特命教授)は、専門的な緩和ケアの質に関して、「全例を症例登録して緩和ケアの質を評価していく体制をつくり上げていくことが将来的に必要ではないか」と指摘した。

高野利実構成員(がん研究会有明病院 乳腺内科部長)は、診断時からの緩和ケアと専門的な緩和ケアは明確に分けて議論することを求めた。「緩和ケアは時期だけでなく、場所や人によっても異なってくる」と述べた。

伊東俊雅構成員(東京女子医科大学東医療センター薬剤部 がん包括診療部緩和ケア室 薬剤部長)は、「単剤ではなかなか痛みが取れないこともあり、適正使用の問題はあるものの、早期の苦痛緩和に向けていくつかの薬剤のコーディネートを医師と処方構築していきたい。ただこれも医師が消極的で1剤一辺倒で痛みがとれていないケースが少なくない」と述べ、緩和ケアのための効果的な薬物療法の実践を要望した。

このほか、遺族調査の継続を求める声があがったほか、グリーフケアや、病院併設型ではないホスピスに対するサービスの質の評価、緩和ケアとしての外来診療の充実といった視点が各構成員から提示された。

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