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麻生財務相 22年度予算編成概算要求 社会保障費は「高齢化による増加分に相当する伸びに収める」

公開日時 2021/07/07 04:51
麻生太郎財務相は7月6日の経済財政諮問会議に「2022年度予算概算要求に当たっての基本的な方針案」を示した。焦点となる社会保障費について麻生財務相は、「高齢化による増加分に相当する伸びにおさめることを目指す」と述べ、これまで同様に高齢化に伴う自然増分を超えた社会保障費の圧縮を視野に入れていることを示唆した。22年4月には薬価・診療報酬改定が控えている。「薬剤は診察等と不可分一体」と主張する日本医師会に対し、医療費の伸びの抑制を主張する財政当局との駆け引きは、8月末日の概算要求の締め切りを経て、秋以降の財務省と省庁間の折衝や政府・与党調整に向け活発化する。

◎「新たな成長推進枠」で要望 国産ワクチンの研究開発や生産体制の強化も


麻生財務相はこの日の諮問会議で、22年度予算編成に向けて「これまでの歳出改革の取組を基調とした効率化を行う」と明言した。一方で、「新たな成長推進枠」として要望した経費については、「新経済・財政再生計画」における歳出改革努力を継続するとの方針を踏まえて措置する考えも示した。成長推進枠とは、新型コロナの克服と経済の好循環を実現するための施策を指すもの。製薬産業に関連するものとして、国産ワクチンの研究開発・生産体制の強化や、国産治療薬の研究開発・実用化の支援などが例示されている。これらは、政府が6月1日に国家戦略として閣議決定した「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に関する内容だ。

◎オンライン診療の適正かつ幅広い活用、後発品の使用促進 診療報酬見直しにも言及

一方、新型コロナ関連の医療提供体制として、病床や医療人材の確保、ワクチン接種体制の確保など感染症有事に備えた、より実効性のある対策を可能とする法的措置や、感染拡大防止のための協力金等の適切な対応なども具体的事例として示されている。さらに、新型コロナで顕在化した課題への克服としては、オンライン診療の適正かつ幅広い活用、後発医薬品の使用促進等とそれに対する診療報酬の見直しなども言及している。いずれも骨太方針2021に明記されたもので、22年度予算編成において、重要視されることが予想されている。

◎社会保障関係費の考え方は変わらず 薬価・診療報酬改定の行方と直結

22年度予算編成では、次期診療報酬改定の改定財源の行方が焦点となる。通常、概算要求ベースで社会保障関係費は「袋詰め」とされ、年末ギリギリまで政府・与党内での調整が行われる。麻生財務相は概算要求に臨む考え方として、「年金・医療等については、前年度当初予算額に高齢化等に伴ういわゆる自然増(○億円)を加算した範囲内で要求」するよう求めた。また、社会保障費の伸びを「高齢化の増加分に相当」の範囲内に収める方針を早くも明示した。この考え方自体は骨太方針2021にも刻み込んでいるが、概算要求段階でも、あえて引き締める発言を行うことで、年末の予算編成過程で焦点となる、次期診療報酬改定の財源の取り扱いについても先手を打った格好といえる。

仮に社会保障費の伸びが6600億円規模となると、次期予算編成においては制度改正を含む2000億円弱の自然増圧縮が想定される。製薬業界が最も関心を寄せる薬価改定は、今年9月の薬価調査結果を踏まえ、市場実勢価ベースの改定が行われる。具体的な計数は現時点で明らかにされていないが、この日の財務省の22年度予算概算要求に臨む考え方を見る限り、例年の考え方を変えてはいない。過去の薬価改定では、薬剤費ベースで7000~8000億円規模の薬価引下げが行われた。21年の毎年薬価改定でも4000億円規模の薬価引下げが行われている。改定をめぐる議論は、今年12月中旬までもつれ込む可能性が高いが、この日の諮問会議を見る限り、22年度薬価改定は、直近の通常改定(2年に1回の18年度改定、20年度改定)とほぼ同じ水準となることも視野に入れておく必要がありそうだ。

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