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科研製薬・21年度上期 主力のクレナフィンは4.5%減収 今夏のコロナ感染拡大の影響大きく

公開日時 2021/11/08 04:50
科研製薬の堀内裕之社長は11月5日の2021年度第2四半期の決算会見で、爪白癬治療薬クレナフィンの上期売上が97億9500万円、前年同期比4.5%減だったと報告した。同剤は夏場に患者増が見込まれる製品だが、今夏は新型コロナの過去最大の感染再拡大があり、これに伴う受診控えの影響を大きく受けた。上期実績を踏まえて同剤の通期予想を下方修正し、当初予想から8億円減の200億円と設定した。

クレナフィンは連結売上の25~26%を占める最主力品。同剤の21年度第1四半期(4~6月)の売上は前年同期比1.4%減、第2四半期(7~9月)は同7.4%減で、今夏の減収影響の大きさがわかる。ちなみに4月の薬価改定での同剤の改定率は0%だった。堀内社長は、「(7~9月の)コロナの感染再拡大のインパクトが非常に大きかった」と振り返った。

◎爪白癬の潜在患者は「今の10倍近くいる」

受診控えという市場縮小の影響を受けたが、堀内社長は爪白癬の潜在患者数は「今の10倍近くいる」と指摘。WebセミナーやWebサイト、VRなどのデジタルツールを用いたMR活動を強化し、爪白癬市場の拡大を推進する意向を示した。「市場拡大を推進することは、(爪白癬治療薬で)トップシェア製品であるクレナフィンの一番の仕事」とも強調した。

◎国内医療用薬・医療機器売上は1.7%増収 受診控えの反動などで

21年度上期の連結業績は、売上375億8800万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は90億3600万円(7.6%減)だった。国内医療用医薬品・医療機器の売上は319億4300万円(1.7%増)。2%台前半の薬価改定影響やクレナフィンの落ち込みを、関節機能改善薬アルツや後発品の売上増などで吸収した。

アルツの売上は95億3600万円(3.4%増)、後発品は44億1200万円(6.5%増)だった。増収理由のひとつは受診控えの反動によるもの。また、ヒアルロン酸を含有する新薬の登場で変形性関節症(OA)領域におけるヒアルロン酸使用の浸透が図られ、ヒアルロン酸市場が活性化した結果、ヒアルロン酸でトップシェアのアルツの売上にもプラスに働いた。上期の好調を受けてアルツは通期予想を上方修正し、当初予想から7億円増の194億円と設定した。

上期の営業減益は、研究開発費が前年同期から22%増加したことが主因となる。特にスイスのニューマブ社と共同開発しているアトピー性皮膚炎を対象疾患とする新規多重特異性抗体「NM26-2198」(開発コード)について、科研がPOC取得までの開発費の大部分を負担することになっており、この開発費がのったことが大きい。

なお、製品売上の通期予想は今回修正したが、連結業績の予想は期初計画を据え置いた。

【連結業績(前年同期比) 21年度予想(前年同期比)】
売上高 375億8800万円(2.2%増) 792億円(5.6%増)
営業利益 90億3600万円(7.6%減) 188億円(5.7%増)
親会社帰属純利益 67億2100万円(7.0%減) 140億円(4.4%増)

【主要製品国内売上高(前年同期実績) 21年度予想、億円】
クレナフィン 97.95(102.52)200←修正前208
アルツ 95.36(92.25)194←修正前187
セプラフィルム 42.45(43.94)90←修正前92
フィブラストスプレー 13.70(13.73)29←修正前28
エブランチル 9.73(9.55)20←修正前19
エクロック 5.57(-)15
リグロス 4.27(3.29)10←修正前8
ヘルコニア 2.01(1.59)5
ジェネリック合計 44.12(41.44)87←修正前83
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