【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

製薬協・くすり相談対応検討会 企業横断検索プラットフォーム「Phind MI」をパワーアップ 企業に門戸開放

公開日時 2021/11/30 04:52
日本製薬工業協会(製薬協)のくすり相談対応検討会は企業横断検索プラットフォーム「Phind MI」の強化に力を入れる。医薬品の製品名や一般名、キーワードを入力すると、よくある質問とその答え(FAQ)や添付文書、インタビューフォームを企業横断的に一括で検索できるのが特徴。24時間365日、コールセンターで対応できない時間でも検索できるメリットもある。取り組みを通じて、くすり相談対応検討会が目指すのは、適切な情報提供の発信を通じた適正使用の推進と、その先にある医療貢献だ。製薬協の会員・非会員問わず、広く参加企業を集い、“真の医薬品情報のプラットフォーム”に成長させることで、医療従事者の利便性を高めていきたい考えだ。

◎「最低でも20社、できれば30社に参加いただきたい」 70社200人超が説明会に参加

「Phind MIは、医療関係者の情報アクセスの利便性向上、医療への貢献という社会的意義が背景にある。ぜひ、ご理解いただき、医療関係者の利便性を向上させるためにも多くの企業にご参画いただきたい。最低でも20社、できれば30社に参加いただきたい」―。製薬協くすり相談対応検討会の佐藤貢委員長(田辺三菱製薬育薬本部メディカルインテリジェンス部長)は11月9日に開いた「医薬品情報の企業横断検索プラットフォーム PhindMI企業説明会」で、こう呼びかけた。この日の説明会には、製薬協の会員、非会員を問わず、門戸を開き、70社、200人超が参加した。説明会後、問い合わせについての声も寄せられているという。

◎企業の提供する最新情報にアクセスが可能に 


Phind MIは、日本ユニシスの協力を得て、製薬企業が作成し、公開しているプラットフォームだ。Phind MIのリンク先は、最新情報を掲載する企業のWebサイト。医療従事者は、信頼性の高い正確な医薬品情報をいつでも入手できる。くすり相談対応検討会・情報提供のあり方構築部会の豊田敏志部会長(第一三共日本事業ユニット製品情報部製品情報管理グループ長)は、「検索エンジンで検索すると、必ずしも企業が提供する情報が上位に表示されるわけではない。誤った情報や古い情報を医療関係者が入手している可能性がある」と指摘する。インターネットなどを通じ、医療情報が溢れ、たとえ医療従事者であっても正しい情報を選択することが難しくなるなかで、プラットフォームの有用性を強調する。添付文書やインタビューフォームはPMDAのサイトでも検索できるが、PDF内の検索や、一度に複数の製品などを横断検索できるなどの、オリジナル機能も備えているという。

◎「複数企業製品の情報を横断検索」、「調査時間の短縮」を評価する声も


デジタルを通じた情報提供の必要性は、医療現場でも高まっている。コロナ禍でMRへの訪問規制が敷かれるなかで、こうした動きは強まっている。製薬協加盟社へのアンケート調査の結果、問い合わせ件数は1か月で約11万件(2021年8月、64社が回答)。この約7割が薬剤師からの問い合わせという。休日や夜間など時間外の薬剤師業務が増えるなかで、時間帯を問わず、正確な情報を求める声は増すことが予想される。一方で、休日夜間にコールセンターなどで対応を行っている企業は、製薬協加盟社の3割に当たる20社にとどまり、外部業者への委託で対応していた。こうした医療従事者と製薬企業とのギャップを埋めるツールとして期待がかかるのがPhind MIのような、プラットフォームだ。

実際にPhind MIを使用した薬剤師325人を対象としたアンケート調査結果では、「複数企業製品の情報を横断検索」(51%)、「調査時間の短縮につながる」(39%)を評価する声が寄せられた。同日の説明会でも、信州上田医療センターの荒義昭薬剤部長は、「PMDAのHPから医薬品情報を検索するが、意外に手間がかかる印象。添付文書やIFに限らず、一元的に検索できるのは便利だ」と歓迎するコメントを寄せた。

一方で、課題と言えるのが、参加企業数の拡大だ。Phind MIは、2019年10月に、ファイザー、第一三共、中外製薬、武田薬品、大正製薬の5社で立ち上げた。現在は、塩野義製薬、大日本住友製薬、田辺三菱製薬、メルクバイオファーマが加わり、9社で運用されている。「参加されている企業が少ない。今後、より多くの企業が参加していただければ、便利に一元的に使えるようにできる」と荒薬剤部長も期待感を示している。

◎製薬協・田中常務「非会員会社の参加もウエルカム」

製薬協くすり相談対応検討会は今後、非会員にも門戸を開き、プラットフォームの強化に努める考えだ。製薬協の田中徳雄常務理事は、「コロナの時代、働き方改革が求められているなかで打ってつけの企画だ。適正人員配置にも資するものだ」とメリットを強調。「非会員会社の参加もウエルカムだ。本来は我々だけでなく、日薬連や厚労省、PMDAがやる仕事かもしれない。誰かが始めないと大きな輪にはならない。我々からまずはこの仕事に取組み、患者さんに直接より良い医療を提供できる礎、我々としても製薬企業として正しい情報を提供する基盤として、Phind MIが認知を受けることを切に祈っている」と訴えた。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(7)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー