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薬食審・再生医療等製品部会 初の多発性骨髄腫のCAR-T細胞製品など2製品の承認了承

公開日時 2021/12/07 04:50
厚生労働省の薬食審再生医療等製品・生物由来技術部会は12月6日、2製品の承認を了承した。ひとつはブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)が申請した再発・難治性の多発性骨髄腫を対象疾患とするCAR-T細胞製品・アベクマ点滴静注(一般名:idecabtagene vicleucel(ide-cel)、開発コード:bb2121)。正式承認されると、CAR-T細胞製品で初の多発性骨髄腫の適応を持つ製品となる。

もうひとつは、青森県弘前市発の再生医療ベンチャー・ひろさきLI(青森県弘前市、町田容一郎社長)の培養自家口腔粘膜上皮シート・サクラシーで、難治性眼疾患(スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、重症熱・化学外傷などによる角膜上皮幹細胞疲弊症)治療に用いる。両製品とも1~2か月で正式承認されるとみられる。

【審議品目(カッコ内は一般的名称、申請企業)】

アベクマ点滴静注(イデカブタゲン ビクルユーセル、ブリストル・マイヤーズスクイブ):「再発又は難治性の多発性骨髄腫。ただし、▽BCMA抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がない▽免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の前治療歴を有し、かつ、直近の前治療歴に対して病勢進行が認められた又は治療後に再発した――のいずれも満たす場合に限る」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。希少疾病用再生医療等製品。再審査期間は10年。

4つ目のCAR-T細胞製品だが、多発性骨髄腫を適応とするのは今回が初めてとなる。患者抹消由来のT細胞に、遺伝子組換えレンチウイルスベクターを用いてヒトB細胞成熟抗原(BCMA)を認識するCARを導入し培養・増殖させたもの。医薬品と同様に薬理的作用による治療効果を期待して、静脈内投与で用いる。

同製品が多発性骨髄腫細胞の表面にあるBCMAを認識し結合すると、CAR-T細胞が増殖しサイトカインが放出され、結果として、BCMA発現細胞が融解・殺傷される。

3つ以上の前治療歴などの後に用いるラストライン的な治療選択肢となる。使用実態下で同製品を投与した時の安全性等を検討することを目的に、製造販売後データベース調査(全例調査)を行う。海外では米国、欧州、カナダ、スイスで承認済み。

サクラシー(ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート、ひろさきLI):「角膜上皮幹細胞疲弊症における眼表面の癒着軽減」を効能・効果又は性能とする再生医療等製品。希少疾病用再生医療等製品。再審査期間は10年。

角膜上皮幹細胞疲弊症は、黒目を覆っている角膜上皮の幹細胞が障害を受けたために新たな角膜上皮が供給されず、角膜が結膜上皮と結合組織で覆われてしまい、視力が著しく低下する疾患。特に重度のものを難治性眼表面疾患といい、スティーブンス・ジョンソン症候群、眼類天疱瘡、重症熱・化学外傷などに起因する。

サクラシーは、口腔の粘膜上皮細胞を羊膜上で培養し作製する培養自家口腔粘膜上皮シートのこと。このシートを患部に移植することで異常な角結膜を再建し、眼表面の異常を修復することを目的として使用される。承認条件として医師要件、施設要件のほか、関連学会との協力により作成された適正使用指針の周知、講習の実施、全例調査がついた。海外で承認されている国・地域はない。
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