メディパルHD 神栄と資本業務提携 「G-TAG」シリーズの用途拡大・機能拡張へ 流通・保管品質向上
公開日時 2021/12/22 04:50
メディパルホールディングスは12月21日、神栄(神戸市中央区)の第三者割当増資を引受け、資本業務提携すると発表した。両社は子会社である神栄テクノロジーとメディセオの間で2019年から医療用医薬品等の温度管理に対応する温度ロガー「G-TAG TempView」の共同開発を進めており、新型コロナウイルス感染症ワクチンの保管・輸送用ロガーに採用した。今回の業務提携により同シリーズの用途拡大や機能開発による流通・保管品質の向上を図るほか、食品関連事業等での包括提携も行う予定。
神栄は、商社機能とメーカー機能を併せ持ち、食品・物資・繊維・電子という幅広い分野にて事業展開している。このうち電子事業における子会社の神栄テクノロジーは、温湿度計測機器分野のパイオニアとして業界をリードしているほか、日本で唯一の落下・衝撃試験装置と加速度計測機器の専門メーカーとして振動計測・解析システム・計測機器を製造販売している。
両社は今回の業務提携により、神栄テクノロジーの技術開発力を活用し、温度、湿度、衝撃、振動、照度の計測など幅広い用途に活用できる「G-TAG」シリーズの用途拡大や機能拡張を図る。これにより製薬企業から患者に至る高精度なトレーサビリティを実現するほか、品質情報をシームレスに把握するクラウドシステムを開発し、「これまでにないレベルの医薬品・医療機器等の品質管理体制を構築」するとしている。さらに、食品関連事業における冷凍食品分野等でのコラボレーションや、その他の事業でも幅広く協業の可能性を探る考え。