【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

ノバルティス 中国BeiGene社とTIGIT阻害薬Ociperlimabで契約締結 免疫療法プラットフォームに追加

公開日時 2022/01/17 04:50
ノバルティスは1月14日、中国のバイオ医薬品企業BeiGene社との間で、TIGIT阻害薬Ociperlimabに関するオプション・提携・ライセンス契約を締結したと日本法人を通じて発表した。ノバルティスは2021年1月に、がん免疫療法薬のPD-1阻害薬Tislelizumabの日米欧での開発販売権をBeiGene社から取得している。今回の契約締結はOciperlimabとTislelizumabとの併用での相乗効果を期待したもので、今後、両社が協力して併用療法の開発も進める。

ノバルティスは今回の契約に基づき、BeiGene社に3億米ドルの前払いを行う。2023年後半以前にオプションが行使された場合、BeiGene社に最大7億米ドルを支払う。オプション行使により、ノバルティスは米国、カナダ、メキシコ、欧州連合、英国、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン、スイス、ロシア、日本におけるOciperlimabの開発・販売権を取得する。

BeiGene社は、承認取得後に米国でディテーリング活動を共に実施することに同意しているほか、中国およびその他の国のOciperlimabの権利を維持する。

Ociperlimabは、TIGITというタンパク質受容体を遮断する新規クラスの抗がん剤で、TIGIT阻害薬と呼称される。TIGITを標的とすることで、免疫を抑制する腫瘍微小環境からT細胞やNK細胞などの免疫細胞を救出し、効率的な抗腫瘍免疫応答を誘発する可能性のある作用をもたらす。TIGIT経路は、PD-1と協調して腫瘍浸潤エフェクター免疫細胞を最大限に抑制し、抗PD-1療法への抵抗性を促進するとされる。早期研究では、TIGIT阻害薬は肺がん、食道がん、胃がん、乳がん、黒色腫などの広範な腫瘍に対して活性を有する可能性が示唆されている。

Ociperlimabは現在、進行非小細胞肺がんの第3相臨床試験で評価が進んでおり、この開発はTislelizumabの開発計画を補完するものだという。オプション期間中、ノバルティスとBeiGene社はOciperlimabとTislelizumabの併用の臨床開発で協力し、ノバルティスが世界規模の2併用臨床試験の依頼者となり、デザイン、実施、資金提供を行う。

ノバルティスオンコロジーのSusanne Schaffertプレジデントは、「今回の契約は、大きな影響をもたらす可能性のある新規治療法を当社の拡大されつつある免疫療法のプラットフォームに追加するもの」だとし、「がん治療における次の革新を推進するためのノバルティスオンコロジーの幅広い取り組みの一環」だとしている。

また、「Ociperlimabは非小細胞肺がんにおいて有望な後期開発段階の化合物であり、広範な固形腫瘍で有効となる可能性がある。これは、PD-1阻害薬であるTislelizumabとの併用による相乗効果をもたらす可能性のある強力な治療薬候補であると考えている」ともコメントした。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
関連ファイル

関連するファイルはありません。

【MixOnline】キーワードバナー
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(4)

1 2 3 4 5
悪い   良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

記事はありません。
ボタン追加
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー