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田辺三菱製薬 抗CD19抗体薬物複合体・Loncastuximab tesirineの国内権利獲得

公開日時 2022/01/20 04:49
田辺三菱製薬は1月18日、スイスのADCセラピューティクス社(以下、ADCT社)が開発・販売している抗CD19抗体薬物複合体「Loncastuximab tesirine」(一般名)について、全てのがん種を対象に日本で独占的に開発・商業化するライセンス契約を締結したと発表した。

同剤はファーストインクラスの抗CD19抗体薬物複合体。CD19タンパク質は、一部の種類の非ホジキンリンパ腫に影響を与える免疫細胞であるB細胞の大部分に特異的に発現しており、新たな治療法開発の有望なターゲットとなっている。同剤は、がん細胞の細胞膜上に発現するCD19に結合し、抗がん剤の送達によりこれらのB細胞を殺傷し、正常細胞への影響を抑えると考えられている。

米国では2021年4月に、2つ以上の全身療法を実施するも再発または難治性となるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療薬として迅速承認され、製品名「ZYNLONTA」として販売されている。

◎「プレシジョンメディシン実現への一歩」

田辺三菱製薬は契約に基づき、ADCT社に契約一時金として3000万ドルを支払うとともに、開発の進捗および売上高に応じたマイルストンとして追加で最大2億500万ドル、さらに国内売上に応じたロイヤリティを支払う。

田辺三菱製薬は、30年のめざす姿として策定した「VISION 30」実現にむけた成長戦略骨子の一つに「プレシジョンメディシン」への取り組みを掲げ、有効性と安全性が高い患者層をあらかじめ特定し、最適な患者層に治療満足度の高い薬剤を届けることを目指している。今回の同剤の国内開発は、「分子標的アプローチを含むプレシジョンメディシン実現への一歩でもあると考えている」としている。
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