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塩野義製薬の経口新型コロナ治療薬候補 早ければ来週中にも国内申請へ 条件付早期承認活用も視野

公開日時 2022/02/08 04:51
塩野義製薬の手代木功代表取締役社長は2月7日、開発中の経口新型コロナ治療薬候補について、条件付早期承認の活用も視野に、早ければ来週中にも国内申請する姿勢を強調した。現在実施中の400例規模のPhase 2/3試験Phase 2bpartについて、「きょう、どんなに遅くとも明日に目標症例数に達する」と説明。手代木社長は、「非常に良い手ごたえを現時点で感じている。このデータがもう一度再現されれば、非常にいい薬剤になる可能性が非常に高い」と自信を見せた。Phase 2b partでも、Phase2a partと一貫した有効性・安全性が確認できた段階で条件付早期承認を活用して申請する考えで、「順調にいけば来週、再来週にもまとめることができるだろう」との見通しを示した。

◎投与開始4日目のウイルス力価 高用量群で80%、低用量群で63%低下

Phase2a part(Phase 2/3試験)では、軽症/中等症および無症候/軽度症状の新型コロナ患者69例が対象。このうち、ベースラインでPCR陰性の症例を除いた47例を①低用量群16例、②高用量群14例、③プラセボ群17例に無作為に割り付け、1日1回5日間投与し、有効性・安全性を検討した。

主要評価項目の抗ウイルス効果(ウイルス力価)については、投与開始4日目(3日投与後)に陽性患者の割合を高用量群で80%、低用量群で63%、投与開始6日目(5日投与後)に高用量群で54%、低用量群で100%減少したとした。

ウイルス力価が最初に確認されるまでの時間(中央値)はプラセボ群の111.1時間(95%CI:23.2-158.5)に対し、高用量群で62.7時間(39.2-72.3)、低用量群61.3時間(38.0-68.4)で、プラセボ群に比べ、約2日間短縮した(高用量群:p=0.0205、低用量群:p=0.0159)。このほか、新型コロナに特徴的な臨床症状の改善傾向も認められたとしている。また、同剤投与群で、治療開始後に病態が悪化し、入院に準ずる治療が必要と判断された患者は、プラセボ群で14.3%(2例/14例)だったが、高用量群、低用量群ともに認められなかった。

◎発現率5%以上の副作用 HDL減少とTG増加も「安全性、回復性は確認済み」

安全性については、有害事象の発生率はプラセボ群の37.5%(9例)、高用量群52.4%(11例/21例)、低用量群69.6%(16例/23例)だった。発現率が5%以上の副作用としては、HDL減少が高用量群34.8%(8例/23例)、低用量群14.3%(3例/21例)、TG増加が高用量群8.7%(2例)で低用量群では確認されなかった。なお、プラセボ群はいずれの副作用も発生しなかった。同社は、「HDL減少およびTG増加はPhase 1試験でも確認されており、2000 mgまでの安全性、回復性は確認済み」としており、「高度、重篤ならびに治験中止の原因となる有害事象は見られなかった」、「ほぼ全ての有害事象は軽度であり、副作用も全て軽度であった」としている。今後は、軽度/中等症は2月9日からPhase3Partに移行する予定。

◎手代木社長「日本人の安全性のエビデンスが重要」 医療従事者の「安心感増す」

手代木社長は、「日本人における安全性のエビデンスが重要だと思っている。先生方の安心感が非常に増すだろうと思っている」と述べ、日本人を対象に数百例規模のエビデンスが構築される強みを強調した。そのうえで、「プライマリにこの国に提供させていただきたい。3月までに100万人分を供給することはこの国の患者さんには大きな福音ではないか」と述べた。「2月末には40万~50万人分の製造を積み上げる」とも述べ、生産体制にも力を入れていることを強調した。

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