住友ファーマ 選択的オレキシン2受容体作動薬「DSP-0187」の米欧の開発・販売権、Jazz社に許諾
公開日時 2022/05/09 04:48
住友ファーマは5月5日、選択的オレキシン2受容体作動薬「DSP-0187」(開発コード)について、日本・中国・一部のアジアを除く米国・欧州を含む全世界における独占的な開発及び販売権をアイルランドのJazz Pharma-ceuticals社に許諾するライセンス契約を締結したと発表した。DSP-0187は住友ファーマの創製品で、オレキシンの欠乏によって生じるナルコレプシーの日中過眠や情動脱力発作を中心とした各症状を改善する可能性がある。
同契約に基づき、住友ファーマはJazz社から契約一時金として5000万米ドルを受領するほか、開発の進捗に応じた開発マイルストーン及び売上収益の目標達成に応じた販売マイルストーンとして総額で最大10億9000万米ドルを受け取る可能性がある。さらに、売上収益に応じた2ケタ台前半の料率のロイヤルティを受け取る可能性もある。
住友ファーマの木村徹・代表取締役専務執行役員は、「睡眠障害に対する医薬品の開発と販売に確かな実績があり、長年睡眠障害を患う人々の生活改善のための治療法の研究開発に取り組むJazz社と提携できることをうれしく思う」とした上で、「当社は、睡眠障害治療薬で大きな成功を収めているJazz社が、本剤を次の開発段階に進めていくうえでの最適なパートナーであると考えている」とコメント。
Jazz社のロバート・イアンノーネ・Executive Vice President(Global Head of Research and Development)は、「オレキシン受容体の活性化は睡眠障害の研究においてとても興味深い分野であり、既存薬による治療を補完できる可能性がある。DSP-0187のプロファイルから、当社は本剤がナルコレプシーやその他の睡眠障害治療に貢献する可能性があると確信している」とコメントしている。
DSP-0187は経口投与の選択的オレキシン2受容体作動薬。オレキシンは睡眠や覚醒を制御する重要な役割を持つ神経ペプチドで、オレキシン2受容体を活性化する同剤は、オレキシンの欠乏によって生じるナルコレプシーの日中過眠や情動脱力発作を中心とした各症状を改善する可能性があり、日本で第1相臨床試験を実施している。ナルコレプシー以外の特発性過眠症やその他の睡眠障害への適応も期待されている。