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GE薬協・高田新会長「信頼回復へ業界一丸で取り組む」 原価高騰の安定供給などの課題は連携を重視

公開日時 2022/06/01 04:51
日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)の新会長に就任した高田浩樹氏(高田製薬代表取締役社長)は5月31日、会見に臨み、「ジェネリック製薬協会の役割は患者、医療関係者に安心して使用いただける品質の担保されたジェネリック医薬品のみが安定的に市場に流通する状況を実現することであり、そのために業界一丸となって信頼回復の活動に取り組むことだ」と意欲を語った。そのうえで、品質確保と安定供給に向けた「喫緊の大きな課題」として、医薬品原材料・資材等の価格高騰や為替変動によるビジネス環境の変化や、投資回収の観点から毎年薬価改定(中間年改定)のあり方をあげた。高田会長は、「原価に占める原材料費の占める割合は大きく、これらの価格高騰は経営に大きな影響を与えかねないと懸念している」、「ジェネリック医薬品の品質を担保し、安定的に供給するためには莫大な投資を継続する必要がある」と述べ、今後製薬業界団体や行政と連携し、対応を検討していく姿勢を強調した。

高田会長は就任第一声で、品質問題への認識を表明した。「ジェネリック信頼回復のさなかで大役を仰せつかり、身の引き締まる思いだ。信頼回復の取り組みを継続し、ジェネリックの信頼回復に努める」と述べた。後発品80%時代で数量ベースでも後発品が半数以上を占めるなかで、“インフラ”として機能を発揮する重要性を強調。「私たちは、国民の医療の質向上に貢献し続けるため、ジェネリック医薬品を今日だけでなく、永続的に供給し続けなければいけない。これが、50%以上を占めるジェネリック医薬品のインフラの役目と考えている」とも述べた。

◎業界環境を取り巻く環境変化、毎年薬価改定で投資回収に問題意識

こうしたインフラとしての機能を果たすうえでの喫緊の課題として、「業界を取り巻く環境」をあげた。「新型コロナの世界的流行による経済活動の停滞、医薬品原材料・資材等の価格高騰と調達にかかわるサプライチェーンの課題顕在化、エネルギー価格、それに伴う流通コストの上昇などが起きており、我々の事業環境は厳しさを増している。ロシアのウクライナ侵略により、状況悪化に加えて急激な為替変動が起きるなど、経済安全保障に重要な医薬品産業全体に大きな影響を与える事態となっている」との見方を示した。

そのうえで、「ジェネリック医薬品は特許満了に伴って、国民の共有財産となった情報や技術を活用することで、開発費を抑えることができる一方で、原価に占める原材料費の占める割合は大きく、これらの価格高騰は経営に大きな影響を与えかねないと懸念している。サプライチェーンの問題の顕在化、新たな増産に必要な新規設備への投資など諸課題が安定供給に影響を及ぼすことがないよう、業界関係団体、行政と緊密に連携して対応をしていきたい」と話した。

また、医薬品の安定供給で各社が増産体制の整備を進めるなかで、投資回収の観点からの難しさも“喫緊の課題”との見方を示した。高田会長は、「製造・品質管理体制が高度化している。工場を維持・発展させ、最新のレギュレーションに対応する設備更新も重要な課題であり、製造品質管理の高度化に対応した人材育成は常に企業にとって最も重要なテーマとなっている。国民の医療の質向上に貢献し、国民皆保険の堅持のために必要とされるジェネリック医薬品の品質を担保し、安定的に供給するためには莫大な投資を継続する必要がある」との見方を表明した。21年度から毎年薬価改定(中間年改定)が導入されたことに触れ、「薬価のかかわる状況は厳しくなっており、大変な危機感を持っている。基礎的医薬品、安定確保医薬品を含む製品を製造する当協会として薬価に関連する危機感を共有し、議論を重ね、関係業界、行政とも連携し、対応を提案していく」と述べた。

安定供給をめぐる問題は、「個社によって事情が違うので、個社がしっかり対応するのが大前提」としたうえで、物価上昇は日本社会全体の課題との認識を表明。「原価の上昇、薬価制度のバランスを見ながらできる提案をしていきたい」と述べた。今年は中間年改定について中医協などで議論されることも想定されるが、導入が決定された2016年と現在では原価の高騰など状況が異なっていると指摘。「できれば、という想いはあるが、業界団体全体としてしっかりとした対応をとっていきたい」と述べた。

◎品質問題 供給状況を「一元的に検索できるサイトを検討」 タイムリーな更新も


品質問題については、「品質問題が起きた土壌はコンプライアンス・ガバナンスの問題があり、クオリティーカルチャーが醸成されていない会社があった。どんな会社でもいつ起こる可能性もある問題だ」として、引き続きGE薬協として会員各社をサポートする姿勢を強調した。また、ジェネリックの情報提供が十分ではなかったことも医療業界からはあがっていたが、「品質問題が起きた当初、公正取引委員会の問題もあって業界として情報を一元化し、開示するというところにおいて課題があった」との認識を示した。GE薬協では、会員各社の供給状況をホームページに掲載しているが、「各社が更新するものを取りまとめるだけでなく、一元的に検索ができるサイトを検討している。各社がタイムリーに更新できるサイトにしようとしている。6月から7月にかけて開示していきたい」と情報提供を充実させる考えも示した。


◎澤井前会長 信頼回復は「道半ば」 小林化工の薬害は「絶対に忘れてはならない」

この日、任期満了に伴い、澤井光郎会長(沢井製薬代表取締役会長)が退任し、副会長に就いた。澤井前会長は、「小林化工の薬害で多くの健康被害の方が出た。おひとりの死亡例も出た。この不祥事を、絶対に忘れてはならないと、この2年間常に心掛けてきた。後世に伝えていかないといけない」と述べた。会長の任期の半分は品質問題、信頼回復に取り組んできたと語った澤井会長だが、「まだ道半ば。信頼回復に至ってはいない。新しい体制でも引き続き取り組まなければならない」と強調した。

また、キョーリンリメディオの橋爪浩代表取締役社長が新たに副会長に選任された。橋爪新副会長は、「品質が最優先だ」と強調。GE薬協加盟社で品質問題が頻発したが、「モノづくりの会社として、生命関連産業の医薬品として、こういうことが起きること自体がおかしい。我々も襟を正していかないといけない。会長をサポートしながら、会員企業一丸となって品質問題に取り組んでいきたい」と意欲を語った。

このほか副会長は、吉田逸郎氏(東和薬品代表取締役社長)、川俣知己氏(日新製薬代表取締役社長)の4人体制。理事には、大津賀保信氏(ダイト代表取締役社長)、中井龍(日東メディック代表取締役社長)、監事には工藤伸一(日本薬品工業代表取締役社長)が新たに選任された。
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