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ミクス・MR数調査22年版 MR数は前年比6.6%減 2000人以上減少 営業体制再構築、戦略的な配転も

公開日時 2022/06/02 04:52
ミクス編集部が行った「MR数調査2022年版」で、MR数がこの1年間に2000人以上減ったことがわかった。19年、20年と2年連続で2000人以上減り、21年は約1000人減にとどまったが、22年は再び大きく減少した。コロナ禍から2年が経過し、リアル+リモートのハイブリッド型営業は定着。加えてMR、Web講演会、自社サイト、サードパーティなど顧客のタッチポイントを統合し、総合的に顧客へアプローチするオムニチャネル型の活動も求められている。今回、複数の企業に聞くと、with/afterコロナを踏まえて営業体制を再構築したとの声のほか、内勤職に配置転換したとの声も少なくなかった。多様化する顧客の情報収集チャネルに対応するための動きとみられる。

文末の「関連ファイル」に22年4月の製薬各社のMR数の資料を掲載しました(会員のみダウンロードできます。14日間の無料トライアルはこちら)。

ミクス編集部は毎年、原則4月1日時点のMR数(新卒入社MRを含む)を調査・集計している。22年調査の有効回答56社のうち、21年調査と比較可能な54社のMR数をみると、22年のMR数は計3万189人で前年比6.6%減、人数では2126人の減少となった。ただ、21年に早期退職者を募集したとみられるノバルティスは「非開示」で、実際の減員数や減少率はさらに大きい可能性がある。

◎7社で100人減少

企業別にみると、22年のMR数が前年から1人でも減ったのは41社。うち100人以上減はアステラス製薬(500人減)、日本イーライリリー(200人減)、グラクソ・スミスクライン(GSK、200人減)、塩野義製薬(150人減)、EAファーマ(129人減)、第一三共(100人減)、田辺三菱製薬(100人減)――の7社あった。

◎アステラス製薬とEAファーマで早期退職者を募集

ミクスの取材では、7社のうちアステラスとEAファーマで21年度に早期退職者を募集した。アステラスのMR数は1700人(21年)→1200人(22年)となり、前年比29%減。コロナ禍を契機としたMRと顧客との面談手法の変化と、それに伴うデジタルコミュニケーションの浸透という事業環境の変化に対応する必要があるとして、最適要員数に向けて早期退職者を募集した。

EAファーマは同351人→222人となり、減少率は全社の中で最大の37%減となった。EAファーマは「営業体制の見直しを行う中でMR数も変動している。併せて特別転進支援制度(=希望退職者の募集)を実施した」と明かしてくれた。募集人数や対象年齢などの詳細は開示していない。

◎MRサポートや営業企画などに「戦略的に配置転換した」

ほかの5社は、この1年間に早期退職者の募集は行わなかった。日本リリーは、MRの減員は「必要な情報を顧客にどのように届けていくかを検討した結果」であり、配置転換などによる自然減と説明した。GSKは一般論と断ったうえで、「事業の状況に応じて常に組織の最適化を行っている」とコメントした。なお、GSKは今回からコントラクトMRを除外したMR数を開示しており、これも減員理由のひとつになっている。

塩野義製薬は、コロナ禍におけるMRの活動量や医師の情報収集手段のデジタル化を念頭に、「これからの営業体制を考えた結果」だとし、「MRサポート、営業企画、メディカルアフェアーズなどに戦略的に配置転換した」と述べた。

第一三共は今回も2000人の大台を唯一キープしたが、100人減となった。この理由は「定年退職や配置転換による自然減に加え、新卒MRの採用が減少したため」。22年の新卒MRは前年比21人減の10人だった。田辺三菱製薬は「早期退職者募集は行っていない。減員理由の詳細は開示していない」とのことだった。

◎4社で50~99人減

MRが50~99人減は科研製薬(73人減)、Meiji Seikaファルマ(52人減)、大正製薬(51人減)、協和キリン(50人減)――の4社。このうち科研製薬は、「市場環境や製品ラインナップを踏まえた適材適所の人員配置を行った。内勤職への異動といった自然減もある」と話した。

◎10人以上増は3社 エーザイ「営業組織内の非MRの要員数を見直し、戦略的にMRを増員」

一方で、1人でもMRが増えたのは5社、うち10人以上増えたのはマルホ(40人増)、エーザイ(21人増)、ニプロ(13人増)の3社だった。マルホは20年より以前の水準の500人体制に戻した。エーザイは、「営業組織内の非MR(キーアカウントマネジャーやhhcエリアコーディネーター)の要員数を見直し、戦略的にMRを増員した」と述べ、地域連携、オンコロジー、イムノロジーに係るMRを増やしたと説明した。

6月号では、21年の新卒採用MR数、専門MR数、メディカル部門の人員数などのほか、コロナ禍におけるMR活動やMR評価(KPI)などに関する調査結果も紹介しています。ミクスOnlineでの閲覧はこちら(会員のみ閲覧できます。目次はどなたでもご覧いただけます)
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