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CureApp 高血圧治療補助アプリが保険適用、即日発売 生活習慣修正をトータルサポート

公開日時 2022/09/02 04:52
CureAppは、世界初の高血圧治療補助アプリ「CureApp HT」が9月1日に保険適用されたことを受けて即日、アプリの販売を開始した。保険診療の中でアプリ、血圧測定、医師の指導という三位一体の6カ月指導プログラムが高血圧患者に処方・提供され、患者は自身のスマホアプリに毎日配信される医学的根拠に基づく個別化された生活習慣修正プログラムに取り組む。医師は診察時に患者の日々の努力や血圧値などを確認し、専門的な指導につなげる。同社の佐竹晃太社長は同日の発売会見で、「三位一体の6カ月間の指導プログラムによって、高血圧患者の生活習慣の定着に貢献する」と述べ、高血圧治療の第一選択である生活習慣の修正をトータルサポートすることに意欲を示した。

◎情報提供活動 自社MR+提携企業で

同アプリの情報提供活動は、採用した数十人規模の同社MRと提携企業が行う。提携企業の社名は現時点では非開示だが、すでに販売提携契約を締結しているという。佐竹社長は、高血圧患者を診ている全国の多くの医療機関をカバーするために提携企業が必要と判断したとし、「病院とのつながりが強い企業」と契約したことを明らかにした。

◎生活習慣の定着に6カ月間の集中的な取り組み重要

同アプリは「成人の本態性高血圧症の治療補助」を使用目的とし、患者のスマホに同アプリをダウンロードして、医師の「処方」(処方コードの発行)により使用する。患者が毎日入力する運動・食事などの情報や血圧値を、アプリに埋め込んだ独自アルゴリズムで解析し、患者個々に最適と思われる生活習慣改善のための減塩や運動、睡眠などの情報をアプリに配信。これにより患者の行動変容を促し、生活習慣を改善して降圧効果を発揮する。(臨床試験成績などの記事はこちら

申請に用いた国内第3相試験のデザインに基づき、生活習慣改善の指導プログラムは6カ月間となった。佐竹社長は、「半年間のエビデンスが蓄積されたため、6カ月間に関して保険適用の対象になった」と説明した上で、7カ月目以降の長期のエビデンスが蓄積されたらチャレンジ申請する意向も示した。とはいえ、まずは6カ月間集中的に生活習慣の改善に取り組むことが、長期の生活習慣の定着につながることも強調した。

同アプリの患者負担は3割負担の場合で初月2910円、その後は毎月2490円となり、このほかに初診料や再診料などがかかる。

◎施設要件 200床以上は「紹介受診重点医療機関」も要件に

同アプリは、施設要件を満たした医療機関で処方できる。高血圧診療における総合的な管理ができることを確認するためで、厚労省が8月31日に発出した事務連絡と、日本高血圧学会高血圧治療補助アプリ適正使用指針作成部会(委員長:豊田一則・国立循環器病研究センター副院長)が9月1日付で制定した「高血圧治療補助アプリ適正使用指針(第1版)」を見ると、200床未満と200床以上で施設要件が異なる。

200床未満の医療機関の場合は、▽地域包括診療料▽地域包括診療加算▽高血圧症を主病とする生活習慣病管理料――の3つの保険点数のいずれかの算定実績が要件となる。

200床以上の医療機関の場合は、「地域の医療機関と連携する、関係学会が認定した高血圧症診療に係る専門施設である医療機関」であることが必要で、具体的には日本高血圧学会の定める「高血圧認定研修施設」であり、かつ22年度診療報酬改定で新設された「紹介受診重点医療機関」であることが要件となる。

◎ピーク時売上は「3ケタ億円」

紹介受診重点医療機関は今秋から認定される見通しのため、現時点で同アプリは200床未満の要件を満たす医療機関で処方できることになる。中医協資料では同アプリのピーク時売上予測は23年度に21.9億円となっているが、佐竹社長は紹介受診重点医療機関が今後増えることで同アプリの施設要件を満たす医療機関も増えていくとして、同アプリはピーク時に「3ケタ億円」となるポテンシャルを秘めているとの認識を示した。

なお、同アプリの処方にあたってはCureAppと当該医療機関との契約が必要となる。医療機関は処方後に、契約に基づく一定額を毎月、CureAppに支払うことになる。医師でもある佐竹社長は、「医療機関は、医薬品のように在庫を持たなくていい。経営上、実は結構大きなメリットだと思っている」と述べた。

◎デジタル医療研究の発展に貢献したい アカデミアとの連携加速

佐竹社長は同アプリの社会的意義のひとつに、高血圧患者の日々の医療データが蓄積されることによるデジタル医療研究の発展への貢献を挙げた。医療における客観的データは現在、1カ月や2カ月に1回の受診時にしか蓄積されない。佐竹社長は、「これまで全く取得することができなかった病院外の医療データが蓄積されるということは、数値化しきれない極めて大きな価値がある」とし、「今後、アカデミアとの連携をより加速させて、治療用アプリの普及で得られる多くの医療データの学術利用をすることで、デジタル医療研究の発展に貢献したい」と強調した。データ活用に関しては、「患者の同意が極めて重要で、同意が大前提になる」との認識も示した。
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