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CureApp 高血圧症治療用アプリの承認取得 22年中の保険適用と上市目指す

公開日時 2022/04/28 04:50
CureAppの佐竹晃太社長は4月27日、オンライン説明会を開き、世界初の高血圧症治療用アプリ「CereApp HT 高血圧治療補助アプリ」(一般的名称:高血圧症治療補助プログラム)の薬事承認を26日付で取得したと報告した。今後、保険適用の手続きを進め、当初の計画通り2022年中の上市を目指す。佐竹社長は同アプリについて、「有効性が確認されただけでなく、費用対効果が優れている確かなエビデンスを有する革新的医療機器」と紹介。同アプリの保険償還価格を月1万円とした場合のICERが約120万円だった(500万円を下回ると費用対効果が良いとされる)との分析結果などを示しながら、▽費用対効果▽海外事例▽治療用アプリならではのコスト構造――を踏まえた保険点数を求めていく考えを示した。

同アプリは「成人の本態性高血圧症の治療補助」を使用目的とし、患者のスマートフォンに同アプリをダウンロードして、医師の「処方」(処方コードの発行)により使用する。患者が毎日入力する運動・食事などの情報や血圧値を、アプリに埋め込んだ独自アルゴリズムで解析し、患者個々に最適と思われる生活習慣改善のための減塩や運動、睡眠などの情報をアプリに配信。これにより患者の行動変容を促し、生活習慣を改善して降圧効果を発揮する。

承認申請に用いた国内第3相臨床試験は、本態性高血圧症でこれまでに降圧薬治療を受けていない20歳以上65歳未満の男女399例を対象に、デジタル治療群(高血圧治療ガイドライン2019に沿った生活習慣改善指導+同アプリの使用)と対照群(同ガイドラインに沿った生活習慣改善指導)にランダムに割り付けて実施した。登録後12週時点で必要に応じて服薬も可能とした。

その結果、主要評価項目の24時間自由行動下血圧測定(ABPM)における収縮期血圧のベースラインから12週後の変化の群間差は-2.4mmHg(デジタル治療群:-4.9mmHg、対照群:-2.5mmHg)で、有意な降圧効果を示した。この群間差は脳心血管病の発症リスクを10.7%低下させることに相当する。起床時の家庭収縮期血圧の群間差は-4.3mmHg(同-10.6mmHg、-6.2mmHg)で有意な改善を示した。この群間差は心不全リスクを54%低下させることに相当する。

◎高血圧症と診断され、薬物療法に入る前の治療選択肢に

同アプリは、スマホアプリを普段から利用している高血圧患者であれば誰でも使えるが、患者自身の「生活習慣を改善したい」との意思も重要となる。佐竹社長は、使用シーンの一例として「高血圧症と診断され、薬物療法に入る前」の患者をあげ、ファーストチョイスで選択されるよう取り組む考えを示した。

◎1患者あたり97万9289円の生涯医療費を削減

同社は、医療機関との契約に基づき、同アプリの処方が発生したら、当該医療機関に毎月一定額を請求して収益とする。このため保険点数の付き方は、同社の事業の継続性の観点からも重要となる。

佐竹社長はこの日、同アプリの保険点数や保険適用の考え方として、▽医療経済性評価(費用対効果評価)、▽海外事例、▽治療用アプリならではのコスト構造――の3点を「考慮してもらいたい」と訴えた。

費用対効果評価では、横浜市立大学の五十嵐中准教授による同アプリに係る分析結果の論文を紹介。▽高血圧治療ガイドライン推奨の生活習慣の修正指導が行われる通常治療群と比較▽比較対照とのイベント発症リスクの差を、保守的に試算▽デジタル療法を用いた場合の追加費用は1万円/月と仮定――との前提条件にたって分析した結果、ICERは約120万円となり、同アプリは「費用対効果が優れた介入と評価される」との結論に至った。

クレコンメディカルアセスメント社による分析結果も紹介し、デジタル療法を用いた場合の追加費用を初診時1万3100円、再診時1万2000円と仮定したところ、1患者あたり97万9289円の生涯医療費の削減が期待されるとの結果となった。

佐竹社長は、「(同アプリによる治療で)長期のイベントリスクを減らせる。これに起因する医療費を減らせるということ」と解説。同アプリの保険償還価格を1万円~1万2000円とした場合、「いずれの分析結果においても本品は医療費適正化に寄与するエビデンスが示された」との認識を示した。また、「新しい取り組みであるがゆえに、費用対効果がしっかり評価された上で保険適用されるべき」とも強調した。

◎外部環境を踏まえた各種アップデートや継続開発必要

海外事例では、米国やフランスで糖尿病を対象疾患とする治療用アプリが月1万円超の価格で保険償還されている事例などを引き合いに、「日本でも健全な産業を育成する上で、海外と見劣りしない保険点数の設定が重要」と述べた。

治療用アプリは、ハードウェア医療機器や一般のヘルスケアアプリとコスト構造が全く異なることへの理解も求め、「適切な保険点数の設定」を訴えた。

例えば、ハードウェア医療機器は新規開発時の費用が大きくかかるものの、上市後の改善は困難で、必要最低限のメンテナンスしかされない。一方で、治療用アプリは、▽外部環境を踏まえた各種アップデートや継続開発が必要▽承認条件に基づくモニタリングに対応する人件費が増え続ける▽医療機関・患者双方へのサポート体制▽サイバーセキュリティ対応――などの費用が継続的にかかるとし、「保険点数設定上、留意が必要」と強調した。一般のヘルスケアアプリとの比較でも、治療用アプリは例えば上市後も品質管理(QMS)や安全管理(GVP)関連の人件費が多く発生すると指摘した。
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