命に関わる病乗り越え医師に リツキシマブが生んだ奇跡
小児科医 市川 裕太 さん
公開日時 2022/11/01 00:00
ある未承認薬によって偶然に命を救われた男の子は今、医師になって幼少期の自分と同じ病と闘う子どもたちを支えている。神戸大学医学部附属病院小児科で診療する医師・市川裕太さんは20年余り前、同じ病院で、重い腎臓病と悪性リンパ腫の両疾患と闘っていた。絶望的な状況を救ったのは、当時発売から間もない分子標的薬リツキシマブ。いずれの疾患についても当時、適応は取得していなかったが、市川さんへの投与から適応拡大につながり、多くの子どもの命を救っている。市川さんは、こうした現状に「自分が病気になった意味があった」と感じている。(岡山友美)〔略歴〕1989年5月23日生まれ、兵庫県神戸市出身。小学3年生時に巣状糸球体硬化症を発症。小学5年生で腹膜透析、小学6年生で母親をドナーとした生体腎移植を行った。その時の経験...