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プレセデックスの新規小児適応は継続審議 アリセプトDLB再審査で「カテゴリー2」 薬食審・第一部会

公開日時 2022/10/31 04:50
厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は10月28日、プレセデックス静注液「ファイザー」の「小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静」の適応追加について、継続審議扱いとした。理由は、他の鎮静剤を併用した際の相互作用の情報などを整理する必要があると判断したため。また、同省はこの日の部会に、アリセプトのレビー小体型認知症(DLB)の再審査結果を報告。製造販売後臨床試験で主要評価項目が未達だったため、承認事項を一部変更することで引き続き使用を認める「カテゴリー2」とする方針を示し、部会としても了承した。同省は、DLBに対する投与に関して、定期的に有効性評価を実施して投与継続の可否を判断する旨の添付文書改訂を指示する方針。アリセプト後発品にも同様の対応を求める。

◎プレセデックス 併用する可能性がある他の鎮静剤や相互作用の情報の整理必要

ファイザーが製造販売しているプレセデックス静注液200μg「ファイザー」、同静注液200μg/50mLシリンジ「ファイザー」(一般名:デクスメデトミジン塩酸塩)について、この日の部会で、生後1カ月以上を対象とした「小児の非挿管での非侵襲的な処置及び検査時の鎮静」の効能・効果及び用法・用量を追加することを審議した。

小児では、処置及び検査の際、成人と異なり行動制御できず自発的な安静を得ることが困難な場合があり、体動を抑制するための鎮静が必要となることがある。プレセデックスの今回の新たな小児適応は、このような鎮静時に用いるものだが、部会の委員からは、同剤と併用する可能性がある他の鎮静剤や、その併用時の相互作用の情報を整理すべきとの意見があがった。同剤の使用にあたり、呼吸抑制や血圧低下に係るモニタリングのため、熟練した医師が対応する必要性も指摘された。これらの意見や指摘に対する回答がまとまり次第、改めて同部会で審議する。

同剤は特定用途医薬品の指定を受けており、特定用途医薬品が審議されたのは今回が初めてだった。特定用途医薬品は、医療上のニーズが著しく満たされていない医薬品の開発促進を図るため2020年9月に創設された制度で、小児や薬剤耐性(AMR)感染症の医薬品が対象となる。特定用途医薬品に指定された場合、PMDA相談や審査で優先的に扱われる。

◎アリセプトDLB適応 有効性が期待できる患者は「一定数存在」

厚労省はこの日の部会に、エーザイが製造販売しているアリセプト(一般名:ドネペジル塩酸塩)のDLBの効能・効果に係る製造販売後臨床試験に基づく再審査結果を報告した。同試験はプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で、日本人を対象に実薬75例、プラセボ76例を比較したもの。

結果概要をみると、主要評価項目の「CIBIC-Plus(全般臨床症状)」はプラセボと比較して改善度の分布に差はなかった(P=0.408)。ただ、「幻視」の症例のサブ解析では実薬群に改善傾向があり、認知機能に関する指標に限定するとプラセボと比較して「有意に有効な方向」(P=0.006)だった。

厚労省は、再審査評価の考え方として、主要評価項目のCIBIC-Plusで有意差は確認できなかったものの、「現時点において、CIBIC-Plusを用いたレビー小体型認知症の臨床症状評価は評価法として必ずしも十分に確立しておらず、この試験結果のみで本剤のレビー小体型認知症に対する有効性を総合的に評価することは困難であるものの、一部の患者では有効性が見られた」と指摘した。認知機能について改善傾向がみられた点に関しては、「承認時の治験成績とも一貫したもの」だとした。

その上で、「本剤の投与によって有効性が期待できる患者は一定数存在している」とし、定期的に有効性評価を行い、「有効性が認めれる場合のみ投与を継続することが妥当」だとして、添付文書を改訂する方針を提示。部会はこの方針を了承した。

◎定期的な有効性評価 認知機能検査や患者・家族からの聴取などで実施

添付文書はDLB適応の「用法・用量」と「効能・効果に関連する注意」の項を改訂する予定。具体的には「用法・用量」の項で、「投与開始12週間後までを目安に、認知機能検査、患者及び家族・介護者から自他覚症状の聴取等による有効性評価を行い、認知機能、精神症状・行動障害、日常生活動作等を総合的に評価してベネフィットがリスクを上回ると判断できない場合は、投与を中止すること。投与開始12週間後までの有効性評価の結果に基づき投与継続を判断した場合であっても、定期的に有効性評価を行い、投与継続の可否を判断すること」を追記する。

「効能・効果に関連する注意」では、認知症治療に精通し、臨床成績の項の内容について十分に理解した医師又はその指導の下で、同剤の使用が適切と判断された患者にのみ使用する旨とともに、全般臨床症状に対する有効性は確認されていないことを追記する。
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