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明治HD 新型コロナワクチン「KD-414」、23年度に申請へ 後発品事業は基礎的医薬品が業績下支え

公開日時 2022/11/09 04:53
明治ホールディングス(HD)は11月8日、製薬業界誌・紙を対象とした2023年3月期(22年度)第2四半期決算の説明会で、現在開発中の新型コロナの不活化ワクチン「KD-414」の承認申請時期が23年度になるとの見通しを明らかにした。これまでは緊急承認のスキームを活用して22年度中の承認取得・収益計上を計画していた。しかし、緊急承認を求めたものの、審議の結果、継続審議となった新型コロナ治療薬・ゾコーバ錠(記事はこちらの事例から、同社は「緊急承認はかなりハードルが高い」との見方に変わったとし、規制当局から求められるデータ提出なども踏まえると今年度中の申請は困難との結論に至ったと説明した。今後、緊急承認のスキームにこだわらず、最良の手段で申請する方針も示した。

不活化ワクチンは乳幼児や小児の定期接種ワクチン、インフルエンザワクチンなどで長年使われてきたモダリティで、副反応が比較的少ないワクチンとして知られている。現在、日本で新型コロナに対する不活化ワクチンはない。KD-414は明治グループのKMバイオロジクスとMeiji Seika ファルマが共同開発しており、小児にも安心して使用できるワクチンとして早期実用化を目指している。

◎22年度上期の国内医薬品事業 売上11%増、営業利益205%増

明治グループの医薬品セグメントの22年度上期業績は、売上971億円(前年同期比5.5%増)、営業利益146億円(29.9%増)――だった。国内医薬品事業と海外医薬品事業が前年同期を大幅に上回る一方で、ヒト用ワクチン事業は大幅に下回った。

国内医薬品事業は売上475億円(11.3%増)、営業利益54億円(205.7%増)だった。22年4月の薬価改定で6%台の薬価改定影響を受けたが、市場の受診控えからの回復、安定確保医薬品の注射用抗菌薬スルバシリンや新型コロナウイルス抗原検査キットの増収、アストラゼネカの新型コロナワクチン「バキスゼブリア筋注」の保管・配送・安全性情報収集に関する受託収入のほか、多くの基礎的医薬品で構成する後発品も国内医薬品事業をけん引した。

◎後発品事業 基礎的医薬品ラインナップで「薬価改定影響を受けにくい体質に転換」

同社によると、Meiji SeikaとMeファルマの単純合算による後発品の上期売上は258億円(16%増)と2ケタ成長した。通期は502億円(9%増)を計画している。

一般的に後発品は、薬価改定による薬価下落率が大きく、売上げの下落圧力も大きくなる。これに対して明治グループは、薬価改定影響を受けにくい後発品事業への転換を進めており、戦略的に多くの基礎的医薬品をラインナップするようにしている。スルバシリンは基礎的医薬品の区分のひとつの「安定確保医薬品」に指定され、22年4月改定では薬価が規格によって25~50%引き上げられた。

また、後発品に係る品質や安定供給の諸課題に対し、医薬品受託製造事業を行うインドの子会社メドライクで生産し、Meファルマを通じて販売するという「品質の高い後発品を安定供給する仕組み」(同社)が市場で認知・評価され、数量増につながっているという。基礎的医薬品の薬価の下支えと数量増により後発品事業が成長しているというわけだ。

同社は説明会で、「後発品事業は、薬価改定影響を受けにくい体質に転換しており、この成果が出てきたと捉えている」とし、「(好調な後発品事業は)一過性の要因ではなく、今後も継続して業績に寄与するものと考えている」と強調した。

数量増によるメドライクの増収や円安影響などを反映して、海外医薬品事業の上期売上は250億円(29.7%増)、営業利益は36億円(195.5%増)だった。一方で、ヒト用ワクチン事業は、前年同期に計上していたバキスゼブリアの製剤化に関する受託収入が今期はなかったため、上期売上は192億円(15.3%減)、営業利益は48億円(44.5%減)だった。

◎下期計画を修正 インフルワクチンの“保守的に見積もった返品分”も考慮

同社は、上期業績や円安を考慮して、下期計画と通期計画を修正した。医薬品セグメントの下期の計画は、売上は1023億円と当初計画並みとする一方で、営業利益は53億円と、当初計画の107億円から半減させる下方修正を行った。この下方修正の理由は大きく4つで、(1)研究開発投資の上期から下期への期ズレ(2)原材料コスト増(3)インフルエンザワクチンの返品を保守的に見積もった(4)KD-414の収益除外――となる。

政府はインフルエンザワクチンについて、今冬は記録が残る中で最大の約3521万本を供給する方針を示しており、明治グループは3割程度のシェアがある。同社は説明会で、インフルエンザワクチンの接種が呼びかけられている一方で、コロナ禍以後の直近2シーズンはインフルエンザが流行らなかったため、「ワクチン接種がどこまで進むか、不確定要素が多すぎて先が見通せない」として、保守的に見積もった返品分も下期予想に加えたと説明した。

医薬品セグメントの修正後の通期計画は売上1994億円(6.1%増)、営業利益200億円(7.2%増)と設定した。
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