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ファイザー パキロビッドの一般流通開始 中等度の腎機能障害患者用パッケージもラインナップ

公開日時 2023/03/23 04:50
ファイザーは3月22日、経口新型コロナ治療薬・パキロビッドパック600、同パック300(一般名:ニルマトレルビル錠/リトナビル錠)の一般流通を開始した。同パック600は既存のパキロビッドパックと同等の製剤だが、同パック300は中等度の腎機能障害[eGFR(推算糸球体ろ過量)30mL/min 以上60mL/min未満]の患者用パッケージとして新たに提供するもの。同パック300の投入により、これまでのように腎機能障害患者に対するニルマトレルビルの投与量を調整するために、パキロビッドパックからニルマトレルビル錠を抜き取る必要がなくなる。

パキロビッドは通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、ニルマトレルビルとして1回300mg及びリトナビルとして1回100mgを同時に1日2回、5日間経口投与で用いる。ただ、中等度の腎機能障害患者に対しては、ニルマトレルビルとして1回150mgに減らして使用することになっている。同パック600は1シートあたり1万9805.50円、同パック300は1シートあたり1万2538.60円。

ニルマトレルビルは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を標的にファイザーが創製した新規化合物で、SARS-CoV-2のメインプロテアーゼ(3CLプロテアーゼ)を阻害することにより、ウイルスの複製を抑制する。リトナビルはSARS-CoV-2に対する抗ウイルス活性はなく、ニルマトレルビルの代謝を阻害し、その濃度を増加させる。

◎一般流通品も同意書の取得必要

一般流通品の処方にあたっては、これまでの国が購入して配分していたパキロビッドパック(以下、国購入品)と同じく、添付文書に記載されている「本剤は、本邦で特例承認されたものであり、承認時において有効性、安全性、品質に係る情報は限られており、引き続き情報を収集中である。そのため、本剤の使用に当たっては、あらかじめ患者又は代諾者に、その旨並びに有効性及び安全性に関する情報を十分に説明し、文書による同意を得てから投与すること」に則り、引き続き同意書の取得が必要となる。また、併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服薬中のすべての薬剤の確認も必要となる。

なお、国購入品の配分は、一般流通が開始されたことに伴い、3月28日15時までの発注分で終了する(記事はこちら

同社の藤本陽子・mRNA・抗ウイルス医薬品部門長は、「今後も、感染症の重症化リスクが高いとされる60歳以上、BMI25kg/m2超、免疫抑制状態、高血圧症、糖尿病、心血管系疾患、慢性肺疾患、慢性腎臓病などの患者さんにおいては、特に早期診断とともに適切な治療が求められる」と指摘。その上で、「本日の一般流通開始にあたり、日本語のパッケージを導入するとともに、中等度の腎機能障害患者さん用パッケージであるパキロビッドパック300を新たに提供する。重症化リスクの高いCOVID-19患者さんの感染症治療に本剤をご活用いただくことを通じて、COVID-19の予後の改善、医療現場の負担軽減にお役に立てましたら幸い」とコメントしている。
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