キョーリン製薬ホールディングス（HD）は４月１日付で、グループの主たる事業子会社である杏林製薬を吸収合併した上で、商号を「杏林製薬」に変更した。また、これまでの純粋持株会社体制から事業持株会社体制に移行した。急激なスピードで市場環境が変化していることに対応するためには、事業推進機能と経営効率の向上を図ることが必要と判断。同社グループが創業100周年を迎える2023年度のタイミングに、グループ体制を刷新することにした。

同社は、中期経営計画「HOPE100-ステージ3-」において、革新的新薬で世界に認められる企業を目指す方針を掲げている。その一方で事業環境は、研究開発投資の高騰に加え、政府による毎年薬価改定の実施など、「グループの経営に多大な影響を与えることが予想される」と危機感を示していた。今回のグループ体制の刷新によって、事業持株会社である杏林製薬がグループの中核企業として新薬事業を強力に推進するとともに、後発医薬品事業、感染関連事業、医薬品製造受託事業を複合的に展開する。

なお、３月31日まではキョーリン製薬HDの下に、▽杏林製薬、▽キョーリンリメディオ、▽キョーリン製薬グループ工場――がぶら下がっていたが、４月１日以降の新体制では、杏林製薬の下に、▽キョーリンリメディオ▽キョーリン製薬グループ工場――が位置付けられた。キョーリンリメディオは主に後発品事業を行い、キョーリン製薬グループ工場が主に医薬品等の製造を行っている。