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武田薬品、デロイトなど有志7社 「ヘルスケアの民主化・高度化に向けた医療データ利活用の提言」を公表

公開日時 2023/04/06 04:50
武田薬品、デロイトトーマツ、インテグリティ・ヘルスケア、日本IBMほか全7社の有志は4月5日、「ヘルスケアの民主化・高度化に向けた医療データ利活用の提言」を公表した。医療データ利活用のあるべき未来像や課題および対応策をまとめたもの。製薬企業、プラットフォーマー、デジタル/テクノロジー企業、コンサルティングファームがそれぞれの視点と経験を元に議論を重ね、個々のプレーヤーではなく産業や組織の垣根を超えた対応策をまとめた。この提言書を基に、民間企業起点でのアクションを実行に移し、データ利活用の価値をより具体化することで医療データ利活用を推進したい考えだ。

提言では、日本における医療データ利活用の方向性として、①統合/オープン型プラットフォームの構築、②データ循環型エコシステムの形成と持続可能性の追求、③ルール形成による市場変革-の3つの“打ち手”を示した。

◎海外データとも互換性のある規格で運用することが望ましい

「統合/オープン型プラットフォームの構築」については、自治体、製薬企業、保険者、医療機関、生活者個人などがそれぞれの意思でデータを提供し、それらを収集、蓄積、一元管理できるオープン型プラットフォームの構築が必要と強調した。このオープン型プラットフォームは国主導で管理し、利用者の要望に応じて連結・統合されたデータ提供を行うことでアクセシビリティを担保すべきとした。また、医療データの二次利用についても触れており、「グローバルと連携したデータベース研究なども視野に入れ、海外データとも互換性のある規格で運用することが望ましい」とした。

「データ循環型エコシステムの形成と持続可能性の追求」では、データ価値最大化を前提とした“ビジネス視点での持続可能性”に言及した。特に、オープン型プラットフォームで収集・蓄積されたデータ利用者の一例として、バイオベンチャーやデジタル/テクノロジー企業が挙げられるとし、「創出された画期的なサービスが医療機関・一般消費者・患者などに還元されることで、ヘルスケアサービス利用に対するインセンティブが高まる」と指摘した。

◎米Amazonに言及「サブスクリプションビジネスでヘルスケア業界に風穴を開ける日も近い」 

近年ヘルスケアビジネス投資を拡大した米Amazonの取り組みにも言及。2018年にオンライン薬局・米ピルパックを買収したことに始まり、20年11月にはオンライン薬局サービスの「アマゾン・ファーマシー」事業を開始。さらに22年7月には遠隔相談のサブスクリプション事業を手掛ける米ワン・メディカルを約39億ドルで買収するなど、「ユーザーエクスペリエンスを知り尽くしたAmazonがサブスクリプションビジネスでヘルスケア業界に風穴を開ける日も近いかもしれない」と分析。「医療データの価値を最大化するためには、投資回収できるモデルを丁寧に設計し、民間企業として持続可能なサービスに仕立て上げていく必要がある」と結んでいる。

◎「民間データベースとは未だ連携できない」 米国に倣って法整備を

「ルール形成による市場変革」では、匿名加工情報の規制見直しに触れた。23年2月に次世代医療基盤法が見直され、匿名加工情報とNDB等の公的データベースのデータの連携解析を可能とする方針が示されたとしながらも、「民間データベースとは未だ連携できない」と指摘した。その上で、米国に倣って法整備を行い、医療データに関する取扱いを明確にガイドラインで制定する等、可能な限り匿名性を保ったまま医療機関や患者にデータの分析結果を通知するスキームを策定する必要があるとした。このほか、AI医療機器審査の簡 素化や、医療AI・DtoD 遠隔相談等へのインセンティブ付与、さらに医療AI利用時の責 任の明確化なども求めた。

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