武田薬品 リブマーリ内用液とハイキュービア10%皮下注セットの2製品を発売
公開日時 2025/06/13 04:49
武田薬品は6月12日、回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬・リブマーリ内用液と、皮下注用人免疫グロブリン製剤・ハイキュービア10%皮下注セットの2製品を発売した。リブマーリはアラジール症候群・進行性家族性肝内胆汁うっ滞症における胆汁うっ滞に伴うそう痒に対する日本初の治療薬。ハイキュービアは、無又は低ガンマグロブリン血症を効能・効果し、日本初かつ唯一の皮下注用人免疫グロブリン製剤およびボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)製剤から構成される組み合せ製剤で、より大量の皮下投与ができ、投与頻度の減少により患者の負担軽減が期待できる。
【6月12日発売】
▽リブマーリ内用液10mg/mL(一般名:マラリキシバット塩化物)
薬効分類:391 肝臓疾患用剤(内用薬)
効能・効果:アラジール症候群、及び進行性家族性肝内胆汁うっ滞症における胆汁うっ滞に伴うそう痒
薬価:1%30mL1瓶 388万8640.70円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数91人、販売金額73億円
胆汁酸の再吸収を抑制する回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬。武田薬品は21年9月に米Mirum社から導入した。
アラジール症候群(ALGS)は、小葉間胆管減少症を伴うまれな遺伝性疾患であり、胆汁うっ滞により、最終的には進行性の肝機能障害を引き起こす。国内患者数は200~300人程度と推測されている。進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)は、肝細胞の胆汁を分泌する能力が低下し、肝細胞内に胆汁の蓄積が起こることにより、進行性の肝疾患に至るまれな遺伝性疾患。国内では、小児慢性特定疾病の対象疾患となっている。
▽ハイキュービア10%皮下注セット5g/50mL、同10g/100mL、同20g/200mL(pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)、武田薬品)
薬効分類:634 血液製剤類(注射薬)
効能・効果:無又は低ガンマグロブリン血症
薬価:
1セット(5g50mL) 5万6816円
1セット(10g100mL) 11万2154円
1セット(20g200mL) 22万1382円(1日薬価:1万5813円)
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数731人、販売金額22億円
ボルヒアルロニダーゼを皮下投与した後、約10分以内に同じ部位へ人免疫グロブリンGを皮下投与する。これにより、人免疫グロブリンGの拡散と吸収が促進され、大量投与が可能になる。大量投与により投与頻度が従来の皮下注製剤に比べて少ない3週間に1回又は4週間に1回となり、患者の負担軽減が期待される。
武田薬品が23年9月に承認を取得、24年1月に発売した無又は低ガンマグロブリン血症治療薬・キュービトル20%皮下注(pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注))の投与頻度は、週1回(通常)又2週間に1回となっている。