小野薬品 米Dana-Farberとの抗PD-1/PD-L1抗体関連特許訴訟で全面的和解
公開日時 2023/04/10 04:50
小野薬品は4月7日、米国Dana-Farber Cancer Instituteとの間の抗PD-1/PD-L1抗体関連特許に関する全世界での訴訟等について、小野薬品、パートナー企業の米国ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)、Dana-Farberとの間で全面的に和解する契約を締結したと発表した。契約に基づき、小野薬品とBMSは契約一時金をDana-Farberに支払うとともに、一定の条件が達成すれば将来追加の支払いも行う。和解条件の詳細は非公表だが、小野薬品は本誌取材に、「今回の和解により、今後の特許権の行使は当社とBMSが主体的に行うことになった」と述べた。
抗PD-1/PD-L1抗体関連特許は、米国では本庶・フリーマン特許、日本では本庶特許と認知されている。フリーマン氏はPD-L1タンパクの発見者として知られ、Dana-Farberに所属している。Dana-Farberはフリーマン氏も同抗体の発明者のひとりと主張し、米国では認められた(=本庶・フリーマン特許)が、日本や欧州の一審で退けられ、日本では控訴していた。
小野薬品は、今回の和解について、「がん免疫療法を可能とした先駆的発見のさらなる発展に道が開かれるとともに、患者さんに対して効果的な治療を提供するという当社、BMSおよびDana-Farber の共通の目的に資することができると考えている」とコメントしている。