東和薬品 試験担当者への自主調査終了 品質規格適合のための「恣意的な操作は確認されなかった」
公開日時 2023/11/29 04:50
東和薬品は11月28日、昨今の業界内における製造・品質管理問題を踏まえて自主的に実施した、国内3工場の試験担当実務者全員を対象としたヒアリング調査結果を発表した。試験担当実務者167人それぞれに対し、総括製造販売責任者、信頼性保証本部長、生産本部主事の3人がヒアリングした結果、製剤、原料及び資材等の品質試験及び安定性モニタリングにおいて、「品質規格に適合させることを目的とした恣意的な操作は確認されなかった」と結論付けた。
東和薬品は、沢井製薬がテプレノンカプセル50mg「サワイ」の安定性モニタリングの溶出試験で不正があったと認めた事案を受け、今回の自主的な調査を行った。
調査は山形工場、岡山工場、大阪工場の試験業務に携わる社員(=試験担当実務者)全員を対象に11月6日~24日に実施した。方法は対面のヒアリング調査。試験担当実務者1人ひとりに30分ほどかけて、総括製造販売責任者ら3人が約10問質問した。例えば「試験手順書にない操作を指示されたことはあるか」や「口頭伝承は行われていないか」などを聞き取りした。承認された試験手順とは異なることが行われていないかを様々な角度から確認したようだ。
東和薬品広報部は本誌取材に、「不正を想定した調査は今回で終了する」とし、「今後は通常のマネジメントサイクルの中で信頼性確保に向けた取り組みを進める」と述べた。