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ケーエスケーなど5者 ドローンと配送ロボットの医薬品ラストワンマイル運搬「実運用可能なこと確認」

公開日時 2023/12/01 04:50
ケーエスケーや和歌山県など5者は11月30日、ドローンを用いた長距離医薬品配送と自動配送ロボットを用いたラストワンマイル運搬の実証実験の結果、「十分に実運用が可能であることを確認した」と発表した。この実証実験は、大規模災害の発生により陸路での医薬品の長距離配送ができない場合を想定したもの。今後は天候などの飛行条件や一度に運搬できる積載量といった課題への対応を進めるほか、「レベル4」(有人地帯での目視外(遠距離)飛行)での飛行検証や、和歌山県内の複数あるへき地診療所とその周辺に在住する患者への配送を想定した実証実験を行う予定。

今回の実証実験は、国土交通省によるドローン物流の社会実装に向けた「無人航空機などを活用したラストワンマイル配送実証事業」の公募に採択されたもの。ケーエスケーを代表者とし、日高川町、和歌山県、和歌山県立医科大学、NTTコミュニケーションズの5者で実施した。

実証実験は和歌山県日高郡日高川町で10月24日に実施した。ケーエスケーが日高川町の診療所から医薬品の発注を受けたと想定し、ドローンと配送ロボットを用いて偽薬を患者宅まで運搬した。具体的には保冷ボックスに入れた偽薬を積んだドローンが、主に河川上空を、約21km離れた医療従事者のいる敷地まで飛行して着陸。医療従事者が顔認証による本人確認の上、偽薬をドローンから取り出し、配送ロボットに積み替えた。そして配送ロボットが約150m離れた患者役の元に偽薬を届けた。

ドローンは約21kmを18分59秒で配送できた。ちなみに同時に出発した自動車は約42分かかった。ドローンによる運搬では、温度センサーや加速度センサーも搭載し、偽薬を適切な状態で輸送できたことも確認した。到着したドローンから医療従事者が偽薬を受領する直前に、AI顔認証ソフトウェア「SAFR」を用いて受領者認証を行い、医療従事者が適切に受領できたことも確認した。偽薬は医療従事者によって配送ロボットに積み替えられ、配送ロボットが患者役の元に運搬した際は、音声通話及びQRコードによる本人確認を経て無事に患者役に届けることができた。

また、ドローンと配送ロボットの位置を常時把握することで、ドローン到着地点での偽薬の迅速な積み替えを実現したほか、輸送中のボックス内の状況をリアルタイムに可視化しトラブルなく偽薬を届けられたことも確認した。
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