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【中医協総会 12月13日 議事要旨 レケンビの薬価収載、最適使用推進ガイドライン等の質疑】

公開日時 2023/12/13 11:38
中医協総会は12月13日、レケンビの薬価収載と最適使用推進ガイドライン等について事務局および薬価専門組織の前田委員長から説明および報告を受け、質疑を行った。本誌は診療・支払各側の発言について議事要旨として公開する



(※事務局説明は略)

小塩会長:続きまして医薬品の新規薬価収載等について、それから最適使用推進ガイドラインについて議題といたします。この2件につきましては、関連する内容ですのでまとめて審議をお願いいたします。本日は薬価算定組織の前田委員長にお越しいただいております。前田委員長より説明をお願いいたします。

(※前田委員長の資料説明は略、事務局の補足説明は略)

小塩会長:ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、ご質問等ございましたらお願いいたします。長島委員お願いいたします。

長島委員:資料「総3-1」最適使用推進ガイドラインついて事務局に1点質問いたします。資料16ページの下半分に記載されている18か月以上継続する場合の評価についてです。本剤の治療成績から考えて、アミロイドβが低下していると想定される中で、別の要因により生活機能が悪化する場合もあると考えられますので、きちんとPET検査または脳脊髄液検査によるアミロイドβの量の確認もした方がいいのではないかとも考えられますけども、この検査が必要ないと判断された理由を教えてください。私からは以上です。

小塩会長:ただいま長島委員からご質問ございました。事務局いかがでしょうか?

事務局:薬剤管理官でございます。ご指摘の点につきまして資料16ページのところに書いているものでございますけども、本剤を投与した後につきましてはアミロイドβの蓄積とこの症状の相関がなかったということが、薬事承認を受ける際の審査上で判断されておりますので、投与期間中に改めてアミロイドβの蓄積状況を確認するのではなく、そこは評価や臨床症状など他の判断材料をもとに投与継続の可否を判断することが適当と整理したものでございます。

また実臨床の中でも一般的にこのアミロイドβに基づく病理判断に関する基準や知見が確立していないことを踏まえますと、現時点において本剤投与後のアミロイドβの検査結果が継続の可否を判断する情報として活用することはまだ現時点では難しいと考えております。

アミロイドβと疾患の関係は今後相関性が明らかになり、投与期間中の確認も何らか有益であるとわかった場合には、そのような判断もありうるものと考えておりますが、現時点では薬事審査における臨床試験成績に基づき、このような整理してしているものでございます。事務局からは以上でございます。

小塩会長:長島委員いかがでしょうか。

長島委員:はい、現時点での知見での判断であり、もし今後新たな知見が加われば、そのときまた再検討するというふうに受け止めました。ありがとうございました。

小塩会長:はい、ありがとうございました。続きましてオンラインでも手が挙がってます。森委員お願いいたします。

森委員:ありがとうございます。今回のレカネマブですけども、先ほど(合同部会で)鳥潟委員の方からもありましたけど、国民の期待が大きく待ち望んだ薬剤だというふうに理解をしています。これまでの議論を踏まえて薬価等が算定されたというふうに理解をしております。

その上で今後の市場規模がかなり限定的に推計されていますが、使用可能な医療機関の数や、市販後のARIAや未知の副作用の発現、患者あたりの療養期間などの影響により、予測が難しく、市場規模が予測を大きく超えることはないか。ガイドラインに従い適切に使用されているのか、有効性、安全性、患者アクセスについて問題がないかなどきちんとフォローして対応していただきたいと考えております。

また取りまとめに記載されております通り、使用実態に変化等が発生した場合には、中医協で迅速な議論ができるようにお願いできればと思います。私の方からは以上です。

小塩会長:はい、ありがとうございました。松本委員お願いいたします。

松本委員:はいありがとうございます。ご提案いただきました薬価収載に関する内容、最適使用推進ガイドラインの内容、医療機器および臨床検査等の保険適用についていずれも異論はございません。それを踏まえまして何点かコメントしたいと思います。

まずレカネマブにつきましては11月15日の中医協了解に基づきまして、薬価算定組織における専門的な議論を経て、ご提案いただいたものと受け止めております。

アルツハイマーの原因物質を取り除く薬剤が日本で初めて使用できるということで社会的に注目されていることは承知しております。企業の立場からしますと、100%希望通りにならなかったかもしれませんけども、介護費用の取り扱いにつきましては、今後費用対効果評価は中で適切な対応を検討すると思いますし、今回は45%有用性加算がつき、原価の約1.5倍近い薬価となり、年間の薬剤費が1人298万円という先ほどご報告もありましたけども、イノベーションの評価は一定程度されたものというふうに思っております。

一方で18か月を超える長期投与の有効性はいまだ確立されておらず、脳微小出血といった副作用の懸念もあり、専門医による管理のもとで高度な検査を定期受けながら、1週間ごとに点滴投与を受けることは安全性と有効性の観点から必要なことだと考えております。

結果的に当面の患者は先ほどご報告ありましたけれども、最大3.2万人、市場規模は約1000億ということで、1500億という高額薬剤の基準値は下回る結果となっております。今後感染症治療薬のように急激な上振れは想定されにくいですけども、徐々に検査体制が整備されていくことや、長期投与のエビデンスが蓄積されていくことにより、徐々に市場規模が拡大していく可能性は十分にございます。

したがいまして市場拡大再算定につきましては、同じく11月15日の中医協了解の通り、通常通りの対応を基本としつつ、使用実態の変化等が生じた場合には、速やかに中医協総会に報告の上、改め対応の必要について検討すると、これは他の委員からも出ておりますけどもその通りで進めていただきたいと思います。

最後に、この薬に関する国民の期待が極めて大きいだけに使用できない患者や家族への適切な対応が必要です。また、認知症施策全体の中でレケンビのような新しい治療法をどのように位置づけるかということも、今後の重要な課題だと考えております。参考資料を拝見しますと、政府として積極的に取り組む方針は十分に行き理解できましたので、着実な実施をぜひお願いしたいと思います。

一点、質問が事務局にございます。市場規模拡大のキーになるものとして、製造メーカーの製造能力もあると思いますし、検査設備等の拡大、あるいはそれを運用していく人員の研修とか資格とかあるかと思います。その点について何かご意見があれば伺いたいと思いますよろしくお願いします。

小塩会長:はい、ありがとうございました。松本委員からご質問がございましたが事務局いかがでしょうか?

事務局:薬剤管理官でございます。これからの市場規模が拡大する要因につきまして徐々に使い始めてから把握していくものと認識をしています。何が一番ネックになっているとかいうところもケースバイケースだと思いますし、いずれしても最適使用推進ガイドライン中で医師の要件なり研修要件、施設要件などが整備されていく中で体制が広がっていくものと認識しております。そういった中での使用状況については薬事の方でも全例調査で把握できることになっていますので、実際どのような患者数、投与期間となっているか把握は可能でございますので、そういった中で全体の市場規模も含めて慎重に見ていきたいと思っております。以上です。

小塩会長:松本委員よろしいでしょうか?

松本委員:はい、ありがとうございました。

小塩会長:はい。他にご意見ご質問ありますでしょうか?飯塚委員お願いします。

飯塚委員:はい、ありがとうございます。資料「総3-2」に留意事項があり、そこに医師の要件、それから施設要件という議論がございます。1点質問ですけれども初回時の施設というのは限定的という理解ですけれども、これはどの程度あるのか。それから地理的な分布、特に地域によってアクセスが十分ある地域とない地域が大きくわかれないように配慮いただきたいなと思っておりますが、まずどの程度の施設が初回時にあるのかというのが一点の質問です。

2点目の質問ですけども、同じく資料に投与開始時等で認知症に関するスコア等を把握するということがあります。ぜひこういったデータを収集分析できるような体制を整えていただきたい。また、将来的にこういったものがNDBや介護DBの情報と結合して分析できるような、そういう方向性に持っていっていただきたいなというふうに思います。以上です。

小塩会長:飯塚委員からご質問ございましたが、事務局いかがでしょうか?

事務局:薬剤管理官でございます。このガイドラインに基づいて使用可能なる施設につきまして、どのくらいの数というところは現時点で十分把握できているものでございません。この施設要件に従ってそれぞれ治療に携わっている医療機関ございますので、そういった中でこういった体制が整っているところが順次ですね広がっていくものと思っております。そういったような状況につきましても、今後の状況も把握しながら、どういった環境で使える施設が広がっていくかというところも把握していきたいと思っております。

またスコアとかそういったデータに伴っていろいろ様々な分析につきましては、ご意見として承りました。ありがとうございました。

小塩会長:飯塚委員よろしいでしょうか?

飯塚委員:はい、ありがとうございます。

小塩会長:他はいかがでしょうか? 永瀬委員お願いいたします。

永瀬委員:事務局に質問です。3.2万人というのは、この初期の認知症の方の中の何割ぐらいでしょうか?

小塩会長:事務局いかがでしょうか?

事務局:薬剤管理官でございます。今回薬事上の効能効果の範囲の中での推定有病者数というところでは、以前も議論に際してお示ししましたけれども、当初の推計では500万人を超える有病者数がいるのではなかろうかということで企業の方で推計しているものでございます。
ただ実際には全員が治療を受けているわけでは当然ありませんし、そういった中でこういった方が(レケンビを)使える環境にあるのはそのぐらいの数ということで推計されたというものでございます。

小塩会長:よろしいでしょうか?

永瀬委員:ありがとうございます。多くの国民が、この薬剤に大変期待しているというのは、私もその通りだろうと思います。ただ一方で、私は若い世代も含めた社会保障を研究しているものですから、例えば学費で言いますと、大学の学費の第1種奨学金ですと大体250万ぐらいです。第2種奨学金ですと350万ぐらいの借金を背負って大学生は卒業していって自分で返済していくような訳になるわけです。

今回の1年あたり300万円近いお金は多分高額療養費制度などで自己負担は大変低くなる。それは国民のためには大変ありがたいことだろうと思いますけれども、若い世代と高齢世代の負担ですね。自己負担というものについては考える必要があるのではないかなというふうに思います。今後の検討課題として申し上げさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

小塩会長:はい、ありがとうございます。他にご質問等ありますでしょうか?よろしいでしょうか。他にご質問等ないようですので、資料「総2-1」の新医薬品の薬価収載、それからレケンビ点滴静注に関しましては資料「総2-2」の市場拡大再算定について当初取りまとめられた方針の通り取り扱うこと。それから資料「総3-1」の最適使用推進ガイドライン資料の「総3-2」の留意事項案の内容で通知することについて、中医協として承認するということでよろしいでしょうか?

各側了承

小塩会長:ありがとうございます。それでは説明のあった件につきましては、中医協として承認したいと思います。
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