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【中医協総会 12月15日 議事要旨 長期収載品の保険給付の在り方についての課題と論点の質疑】

公開日時 2023/12/18 04:51
中医協総会は12月15日、長期収載品の保険給付の在り方についての課題と論点について事務局から説明を受け、診療支払各側で議論した。本誌は診療・支払各側の発言について議事要旨として公開する。



(※事務局説明は略)

小塩会長:それでは、ただいまの説明につきまして、ご質問等ございましたらよろしくお願いいたします。最初に、長島委員お願いいたします。

長島委員:ありがとうございます。16ページの論点(長期収載品の保険給付の在り方についての課題と論点)についてコメントします。まず、基本的な考え方として、今回は患者さんの自己負担のあり方や、医薬品の安定供給体制等、多方面に大きな影響を与える制度変更となりますので、最初は慎重にスタートした方が良いと考えます。この点を踏まえて論点について検討したいと思います。

まず、対象品目については資料5ページ「選定療養の対象品目(イメージ)」を見ますと、右下の上市後5年以上、置換率50%未満のカテゴリについては、後発品が上市されてから5年が経過し、Z2ルールが適用されたとしても、まだ過半数は置き換えられていないという状況からすると、長期収載品を使用した場合の自己負担引き上げについては、慎重に対応することも考えられます。

また、9ページ(保険給付と選定療養の負担に係る論点)の「論点①」保険給付範囲の水準については、資料10ページ(患者負担に与える影響・イメージ)の表を見ると、1割負担の患者さんの方が3割負担の場合と比べて患者負担の変化額が大きくなっておりますし、また、ケース2のような先発品と後発品との薬価差が大きい場合も患者負担額の変化が大きくなってしまうことがわかりました。こうした変化額の大きさを踏まえますと、保険給付範囲の水準については、最初は4分の1程度の額として、できるだけ患者さんへの影響が少なくなるようにした上で様子を見るべきと考えます。

同じく資料9ページの「論点②」選定療養として徴収する額についても、制度を最初から複雑にすると現場に与える影響が大きくなります。したがって、長期収載品の薬価を超えた額を設定することや、逆に選定療養費として徴収する額をあえて低く抑えるようなことも避けるべきと考えます。また、安定供給の確保という意味では、現在の状況において、後発品の供給体制に過剰な負担をかけるべきではないと考えられます。

そこで、例えば、準先発品、すなわち昭和42年以前に承認、薬価収載された医薬品であって、後発品があるものを長期収載品と同列に扱うことによる影響もよく見ておく必要があると考えます。私からは以上です。

小塩会長:はい、ありがとうございます。続きましてそれでは森委員お願いいたします。

森委員:はい、ありがとうございます。私も今長島委員からありましたけど今回の新たな考え方を導入するということ、それから現状の医薬品供給問題等から、慎重にスタートすべきだというふうに思っております。

その上で総論として今回の選定療養を導入する意義というものが我が国の創薬力の強化と更なる後発薬の使用促進、そして、そのために従来とは異なるアプローチで後発品への置き換えを進めていくということをしっかりと理解をした上で進め、またいまだに続く医薬品の供給問題が十分配慮していかなければならないというふうに考えております。

医薬品の供給問題で、薬局・医療機関の医療現場において相当な負担や混乱が続いています。このような状況が改善されないまま、今回の選定療養が導入されるとなると、現場での混乱が増し、患者さんへの説明やご理解いただくために別途更なる時間や労力などを要することになります。

また以前、薬剤一部負担金が導入された時も、現場がかなり混乱したが、今回は同一の薬剤でも、人によって選定療養となるケース、ならないケース、そもそも選定療養の対象となる薬剤、ならない薬剤が混在しており、それらの説明に現場での負担は薬剤一部負担金が導入されたとき以上に大きなものとなるとこういうことが予想されています。

現場の負担については十分ご理解いただき、必要な配慮をお願いしていただければというふうに思います。施行に当たっては、国が責任を持って国民への十分な周知をお願いいたします。また、導入時期についてですが来年の6月の改定施行時になると診療報酬、介護報酬の同時改定でもありレセコンのシステム対応の時間や国民への十分な周知広報なども必要であり、これらについては時間的に余裕をもって対応すべきものというふうに考えております。

それから課題に示されている適用場面についてですが、概ね異論はありませんが、医療上の必要性があると医師の判断で認めた場合、その確認が処方箋で行えるなど容易に確認できるような仕組みを運用することをお願いできればと思います。また出荷調整等の影響により薬局に在庫がない場合など、後発医薬品を提供することが困難な場合については給付対象とすべきと考えますし、その判断は薬剤師が行うべきと考えます。

次に、対象品目については課題に示されている考え方に異論はございません。

最後に保険給付と選定療養の負担に係る範囲についてですが、一定の割合を求めることで処方日数などによっては過度な患者負担を発生させる可能性があります。長島委員からもありましたけれども、患者の負担増を最小限に留める割合にするとともに、当該負担額を徴収することとしておく必要があると考えます。私からは以上です。

小塩会長:はい、ありがとうございます。池端委員お願いいたします。

池端委員:はい、ありがとうございます。私も資料16ページの論点(長期収載品の保険給付の在り方についての課題と論点)に沿って何点かコメントしたいと思います。今回の選定療養を使うやり方というのは、あくまでも選定療養を使ってその内容を患者さんに受けてほしいということがなくて、あくまでも後発医薬品を促進するという目的ですので、選定療養を聴取することが目的ではないということ考えると、やはり混乱を起こさないことも含めて、この選定療養の負担の範囲というのは、できるだけ少ない方がいいと思います。となると私も4分の1が適当ではないかと感じています。

その上で、やはり安定供給が大前提だと思いますけれども、資料16ページの論点にありますように、その適用場面というところで、最後の薬局に後発品の在庫がない場合、当然これは選定療養の対象ではなく、保険給付を対象になるべきだと思います。

前回もここでお話したように、同じ処方された医薬品が、A薬局、B薬局、C薬局でそれぞれ選定療養になったりならなかったりする。あるいは時期によって今月は(選定療養に)なったけど、来月はならなかったということが混在する可能性が高いのではないか。

不安定供給が続いていることが前提にあると国民にとって理解しにくいことだと思うので、その辺をどう落としていくかということ。事務局も今すぐ答えが出ないかもしれませんけど、その辺は薬局の皆さんとよくご相談いただいて、できるだけ国民が混乱しないような対応をしっかりとって周知の期間を一定程度とっていた上でやっていかなければ、大きな混乱を起こすのではないかということを危惧します。

それが医療機関にとっても、保険者にとっても、薬局にとっても、患者さんにとっても非常に大変なことになるかと思います。それを慎重にご検討いただければと思います。以上です。

小塩会長:はい、ありがとうございました。よろしいでしょうか。松本委員お願いします。

松本委員:はい、ありがとうございます。それでは、まず保険給付と選定療養の適用場面についてでございますけれども、ここに記載の通り、医療上の必要性を十分に担保することが必要だと考えております。例えば、患者が希望した場合であっても最終的には処方権を有する医師の判断が重要です。具体的な理由をレセプトに明記するなど、保険給付の妥当性を保険者や審査支払機関が確認できることが必要となります。一時的に薬局の在庫がない場合には、処方医に確認して効能・効果が同じ別の後発品に切り替えることも検討していただきたいというふうに思います。

保険給付と選定療養の負担に係る範囲についてですが、患者の負担増に配慮しつつ、長期収載品と後発品の価格差の2分の1以下の範囲内で、患者が後発品を使用するインセンティブが働く水準とすべきと考えております。また長期収載品の選定療養によってむしろ、後発品のない新薬の使用が増加する可能性もございます。医療保険制度の持続可能性の観点からは適切に薬剤が選択されますよう、丁寧に実態を把握することが必要でございます。

最後にどのような仕組みになったにしろ、医療現場や患者にかなりの混乱が生じることは、他の委員からもご指摘があった通りです。保険者としても、加入者に制度の周知を行う必要があると考えておりますので、厚労省におかれましては、患者の理解を得るための広報ツールの準備をよろしくお願いしたいと考えております。私からは以上でございます。

小塩会長:はい、ありがとうございます。続きまして鳥潟委員お願いいたします。

鳥潟委員:ありがとうございます。最初に、医療上の必要性があると認められる場合については、処方等の段階で明確になるような仕組みの整理を行うことについて、客観的かつ公平な制度の運用が可能となるよう、ぜひ実施していただきたいと考えております。その際は、医療従事者と患者の間に情報の非対称性があることに留意し、患者が制度の趣旨や選択し得る医薬品を理解した上で、先発医薬品か後発医薬品かを選ぶことができるよう、医療現場での適切な表示などをお願いしたいと思います。

保険給付と選定療養の負担に係る範囲に関してですが、協会としても後発医薬品の使用促進に取り組んでおりました。各保険者の努力のみではもうすでに後発医薬品の使用率に関しては限界が見えてきている状況であると考えております。

後発医薬品の供給不安をめぐる構造的課題の解決に向けて、関連制度を大胆に見直すことを前提に長期収載品の薬価と選定療養の場合における保険給付範囲の水準の差については、
できる限り2分の1とする方向で検討を進めていただきたいと考えております。

また選定療養にかかる負担を徴収しないことや、標準とする水準より低い額で徴収することについては、そもそも選定療養は本人の自己負担を前提としうるものであること、また後発医薬品の使用促進を図る観点から認めない方向で検討していただきたいと考えております。以上になります。

小塩会長:はい、ありがとうございます。他はいかがでしょうか。飯塚委員お願いします。

飯塚委員:はい、ありがとうございます。選定療養としないと判断された場合の扱いですけれども、その理由がレセプトデータ上でしっかり識別できるように診療報酬の項目等での工夫等をお願いしたいと思います。特に医療上の必要性であるのか、あるいは後発薬の在庫がないためか等について、院内処方についても含めて、データ収集の方策を考えていただきたいと思います。

それから選定療養の負担の範囲についてですが、選定療養の導入は、医療資源を特許切れの医薬品から革新的な新薬に配分するための重要な政策となります。今回、医療上の必要性や、後発薬の在庫状況も踏まえて、政策を導入するということになるのであれば、資源の再配分が十分達成できる範囲、水準で実施をしていただきたいと思います。以上です。

小塩会長:はい、ありがとうございます。他はいかがでしょうか。茂松委員お願いします。

茂松委員:はい。この施策は本当に国民の方々に本当に負担を与えるということと、現場に本当に混乱をきたすということであって、決していいことではないんですが、進めていくには本当に丁寧に慎重に、厚労省におかれましては、そのようにお願いしたいと思っておりますよろしくお願いいたします。

座長:はい、ありがとうございます。他はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。現時点で事務局からコメントしていただくことがもしございましたら、お願いいたします。

事務局:保険医療企画調査室長でございます。各委員の先生方からいただいたご意見を踏まえまして、更なる検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。選定療養の保険給付と患者負担の範囲につきましては、先日の医療保険部会でもご意見を頂戴しましたし、本日もまた支払側、診療側それぞれの委員の先生方からご意見頂戴しました。そういった点を踏まえながら、予算編成過程の方で改めて政府としての検討を進めていきたいというふうに考えてございます。

また、これも共通したご意見として制度の周知徹底をご指摘頂戴しております。こちらについては同様に医療保険部会の方でも、その必要性、重要性についてご指摘をいただいております。制度導入に当たりまして医療現場もしくは患者国民の皆さんに負担、混乱が生じないよう、事前に制度の周知徹底をしていくということは非常に重要であるというふうに私ども考えておりますので、そちらもまた徹底してまいりたいというふうに思っております。

また、医療上の必要性にかかる論点につきましては、本日いただいたご意見も踏まえながら、具体的な運用についてさらに検討を深めてまいりたいというふうに考えてございます。現時点でお答えできる範囲としては以上でございます。

小塩会長:はい、ありがとうございます。他にご質問等よろしいでしょうか。それでは本件に係る質疑はこのあたりといたします。本件、非常に重要な案件でございますので事務局におかれましては、今後本日いただいたご意見も踏まえて、対応していただくようにお願いいたします。

本日の議題は以上です。次回の日程につきましては追って事務局よりご連絡いたします。それでは本日の総会はこれにて閉会といたします。長時間どうもありがとうございました。
 
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