選定療養対象薬剤の後発品比率 3月にアジルバは94%、ネキシウムは93% 24年10月以降高止まり
公開日時 2025/04/15 04:51
2025年3月の後発品比率が降圧剤・アジルバは94%、抗潰瘍薬・ネキシウムは93%になったことがわかった。両剤とも24年9月の後発品比率は90%未満だったが、10月に90%前半に上昇し、その後、高止まりした。両剤とも10月に施行された長期収載品の選定療養の影響が表れたとみられる。
後発品比率は医療情報分析サービスを手掛けるインテージリアルワールドが独自に運用する統合医療データベース「Cross Fact」のデータを基に分析したもの。対象品の処方数量から後発品シェアを算出した。
同社は、24年9月に院外調剤市場における推計調剤金額上位10製品をピックアップし、後発品比率の変化を分析した。10製品のうち25年3月の後発品比率が最も高いアジルバの後発品比率は、24年9月が89%、10月が93%、25年3月が94%――と推移。次いで後発品比率が高いネキシウムは、24年9月が87%、10月が92%、25年3月が93%――となった。
◎ヒルドイド後発品比率 24年9月が62%、10月が80%、25年3月が67% 相次ぐ限定出荷影響か
一方、血行促進/皮膚保湿剤・ヒルドイド、経皮鎮痛消炎剤・モーラス、喘息/COPD治療薬・シムビコートの3製品は、選定療養が始まると後発品比率が10ポイント以上上昇したが、その後は減少に転じた。ヒルドイドの後発品比率は24年9月が62%だったが、10月に80%に急上昇し、25年3月は67%となった。選定療養が始まった10月以降、想定以上の需要増により、後発品で限定出荷となるものが相次いだことが影響したとみられる。
モーラスの後発品比率は24年9月が57%→10月が67%→25年3月が63%――、シムビコートは同74%→85%→66%――と推移した。モーラスも11月に供給が一時停止。シムビコートも11月に後発品全3製品が限定出荷となったことが響いたようだ。インテージリアルワールドはいずれも外用剤ということから、「使用感の違い」も影響した可能性を指摘している。
◎グリベックは右肩上がりに推移、3月の後発品比率86%に
免疫抑制剤・プログラフ、水利尿薬・サムスカ、肺動脈性肺高血圧症治療薬・トラクリア、抗てんかん薬・イーケプラの4製品は10月に後発品比率が上昇してその水準をキープ。抗がん剤・グリベックは24年9月の後発品比率は62%だったが、10月に77%となってからも右肩上がりに推移し、25年3月には86%と高水準になった。
選定療養の対象となった長期収載品は24年10月から、長期収載品の薬価と後発品の最高価格帯との価格差の4分の1に相当する額を患者が追加負担することになった。