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国内製薬トップ年頭所感 オープンイノベーション推進で新たな価値創造 環境変化に挑戦のとき

公開日時 2024/01/09 04:51
国内製薬企業各社は2024年の始動にあたり1月9日までに、経営トップの年頭所感を発表した。イノベーション創出に向けて、オープンイノベーションに注力する姿勢を示す企業の声が目立った。市場環境の厳しさを指摘する声が上がるなかで、自社の強みを活かした独自の“チャレンジ”を前面に押し出す企業が多く見られた。従来の創薬基盤に加え、培った健康や在宅医療のビジネス基盤などを活かして、価値最大化を図る企業もあり、新たな価値創造に邁進する製薬企業の姿が見られた。

◎中外製薬・奥田社長CEO オープンイノベーション強化で「新たな価値創造」目指す

中外製薬の奥田修代表取締役社長CEOは24年について、コーポレートベンチャーキャピタルである米国子会社 Chugai Venture Fund, LLC が本格的な投資活動を開始するとして、「オープンイノベーションを強化し、外部技術と自社技術との掛け合わせにより、当社だからこそ実現できる新たな価値創造を目指す」と意気込んだ。24年は、成長戦略 TOP I 2030 の開始から4年目に当たる。注力する中分子医薬品で多数のプロジェクトが進行しているとして、「これらの研究・開発を着実に進める」姿勢を強調した。

最も重視する価値観としては、「患者中心」を掲げ、「『患者さんの幸せに貢献したい』、『患者さんが待ち望む医薬品をいち早くお届けしたい』という強い想いが、私たちの価値創造の原動力だ。患者さんの声に耳を傾け、事業活動に取り入れるスキーム『PHARMONY』を全社展開し、イノベーションの追求に邁進する」と意気込んだ。

◎大塚HD・樋口社長兼CEO 「大塚だからできるWell-being」を追求


大塚ホールディングスの樋口達夫代表取締役社長兼CEOは「独自のトータルヘルスケア企業として、大塚だからできるWell-beingを追求していく」と決意を語った。24年度からは第4次中期経営計画が始まる。昨年までの第3次中期経営計画については、「『独自のトータルヘルスケア企業として世界に躍進』を掲げ、既存事業価値の最大化と新たな価値創造および、資本コストを意識した経営を実践してきた」と振り返ったうえで、企業理念「Otsuka-people creating new products for better health worldwide(世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する)」を引き合いに、「事業活動を通じたサステナブルな社会の実現に向けて邁進していく」と訴えた。

◎エーザイ・内藤CEO 「アルツハイマー病の未来を変える」 ゼロから1を興すパイオニアに


アルツハイマー病治療薬・レカネマブの国内上市に沸いたエーザイの内藤晴夫代表執行役CEOは「アルツハイマー病の未来を変える」と題した年頭所感を発表した。セオドア・ルーズベルト米元大統領のスピーチ「The Man in the Arena」に触れ「価値ある志のためにしっかりと仕事をしていけば最終的に勝利を得る、何もしなかった者と決して同じにはならない」と訓示。その上で「自分で見つけたものを自分で造り、届けるという“Manufacturer”としての矜持をもって、ゼロから1を興すパイオニア的な努力により、喫緊の課題であるアルツハイマー病の早期診断・治療のパスウェイ整備に取り組まなければならない」と社員に呼びかけた。

◎住友ファーマ・野村社長 24年度は「重要な転換点」 臆することなく挑戦

住友ファーマの野村博代表取締役社長は24年度を「重要な転換点になるものと考える」との見方を示した。「大きな課題」として、基幹3製品(オルゴビクス、マイフェンブリー、ジェムテサ)の成長促進や、再生・細胞医薬事業における iPS 細胞由来ドパミン神経前駆細胞移植によるパーキンソン病治療の承認申請受理・承認取得、がん領域の TP-3654 および DSP-5336などを掲げた。23年12月に限定出荷を解除した2型糖尿病治療薬・ツイミーグの「安定供給」も課題の一つにあげた。

これらの課題を「確実に達成することが当社の将来の成⻑につながる」との見方を表明。「全従業員が常識にとらわれない斬新なアイデアで当社の現状を打破し、大きなチャレンジに臆することなく挑戦し前に進んでいただきたい」と強調した。そのために、「計画はあくまでも周到に行い、実行フェーズでは必ず成し遂げるという自信と粘り強い意思をもって、『CHANTO』を実践していただきたい」として、「今後も多くのチャレンジがあると思うが、全役員・従業員が一丸となれば乗り越えられるものだ。日本、北米、中国そして東南アジアの当社グループ全員の力を合わせれば持続的な成⻑を達成できる明るい未来が切り拓かれると信じている」とコメントした。

◎小野薬品・相良社長 次世代の新薬創製へオープンイノベーションを推進

小野薬品の相良暁代表取締役社長は、「24年はさらなる成長を目指すうえで、非常に重要な年になる」と強調した。「次代の新薬創製に向けてオープンイノベーションに引き続き取り組む」ことに加え、欧米での自販に向けてグローバル展開を加速する考えも示した。相良社長は、「当社の使命は患者さんに革新的な新薬を届けることであり、一人でも多くの患者さん、そしてご家族に貢献できるよう、引き続き挑戦を続けていく」と表明した。

24年の事業環境については、「厳しさが増すことが予想されるが、厳しい環境下にあっても新たな発想やイノベーションが生まれ、多様な人財が働きたいと思える会社を目指していきたい」と語った。

◎塩野義製薬・手代木社長 24年は「真の勝負の年」 固定観念壊してチャレンジを

塩野義製薬の手代木功代表取締役会長兼社長CEOは24年を「真の勝負の年」と位置付け、「2030年の成長に向けて進み始めた私たちSHIONOGIの『実力』が本物か、を示す1年だ」と力を込めた。その上で、固定観念を見直し、「それら一つひとつを壊し、チャレンジしていただきたい。持続的な成長を促進するために常に考え続け、自らを鍛錬していくことが求められる」と呼びかけた。

年始に示す恒例の一字は「達」。「道が通じる」「通り抜ける」との意味に加え、「達成」や「達人」「到達」など「まさに2024年に私たちSHIONOGIがグローバルに行わなければならないことばかりだ」と説明。最後は「次へのチャレンジをどう捉えるかは自分次第。この状況を楽しんだ上で次のステージに到達し、更なる高みを目指していきましょう」と締めくくった。

◎協和キリン・宮本社長 「グローバル・スペシャリティファーマとして力強い成長目指す」

協和キリンの宮本昌志代表取締役社長は、「将来にわたる Life-changingな価値の継続的創出を可能にする創薬力を培っていくという強い信念を持って新たな年のスタートを切り、一丸となって日本発のグローバル・スペシャリティファーマとして力強い成長を目指す」と抱負を語った。

宮本社長は、「製薬業界をとりまく環境が激しく変化する中、私たちは自社の強みと弱みを見極め、環境変化に素早く、そして的確に対応し持続的な成長を遂げる実践力を問われている」と表明。23年にかけて、大型化が見込まれる候補品の開発中止が相次いだことに触れ、「非常に厳しい決断だったが、これからの創薬を進めるには Life-changing value を明確に示すことが求められることを再認識し、持続的な成長に必要なものを議論してきた」と振り返った。今後の取り組みの一つとして、英・バイオ医薬品企業Orchard Therapeutics社の買収をあげ、「今後も成長に必要なパイプラインやモダリティを探索し、戦略投資を継続する」とした。

そのうえで、「アンメットメディカルニーズを満たす医薬品を創出し届けることで、成長機会を切り拓いてきた。その成功の背景には、様々な失敗を糧に環境変化へ適応しながら、戦略を見直してきた果敢な挑戦の歴史がある」として、チャレンジ精神を強調した。

◎日本新薬・中井社長 自分に、相手に、社会に本気になって行動、ラーニングゾーンに挑戦を

日本新薬の中井亨代表取締役社長は、社員に向けた挨拶の中で「これまで以上に『自分に、相手に、社会に』本気になって行動し、ラーニングゾーンに果敢に挑戦してほしい」と訓示。24年度からは第7次中期経営計画が始まる。「『日本新薬の特長ある製品を、一刻も早く、一人でも多くの人に届ける』ために、一人ひとりが成長し、それぞれの個性や強みを生かして共に働き、パフォーマンスを最大限発揮することが必要だ」と訴えた。

◎帝人ファーマ・種田社長 在宅医療の強み活かし「治療と支援の提供が強みになる」

帝人ファーマの種田正樹代表取締役社長は、23年11月のデンマークのバイオ医薬品企業Ascendis Pharma社とのライセンス契約締結について「我々にとって重要な節目」と強調。「我々の強みである在宅医療事業で培ってきた事業基盤を活用でき、さらに内分泌系ホルモン剤という我々に地の利がある領域の薬剤である。より支えを必要とする患者さん、ご家族、そして医療従事者も含めた地域社会の課題を解決する会社を目指すスタートを切ることができる」と意気込んだ。「在宅での医療の提供を志向し、患者さんの望む治療(Cure)と支援(Care)を提供することが、私たちの強みになると信じている」と呼びかけた。

実際の結果に結びつけるためには、「いくつもの超えなければならないハードルがあるが、全社一丸となって邁進していく」と強調。24年は、「我々の成長と進化の年」と位置付け、
「革新的な発想とアプローチによって新たな戦略を展開し、市場のリーダーシップをさらに強化していくことにチャレンジしていく」と決意を示した。

ヘルスケア事業の年度業績見通しについて「おおむね順調に推移している」との見方を表明。「既存製品の利益極大化と業務の効率性・生産性の向上という、ともすれば相反する事柄に全員で真剣に取り組んだ結果と認識している」としている。
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