住友ファーマ 成長戦略「Boost 2028」を発表 公募増資で最大1400億円調達 財務基盤と経営体質強化
公開日時 2026/03/03 04:53
住友ファーマの木村徹代表取締役社長は3月2日、オンライン会見に臨み、2028年度までの3年間の成長戦略「Boost 2028-力強い住友ファーマの加速」を公表した。同日に発表した26年3月期業績予想の修正でコア営業利益が過去最高益となる1070億円に上方修正したことを踏まえ、これまでの「構造改革」から「本格的な成長戦略」への橋渡しが可能と判断した。その上で「Boost 2028」の財務KPIとして、オルゴビクス、ジェムテサの2剤で3500億円超を売上げるほか、ROE10%以上(期間中)、自己資本比率は早期に50%超、研究開発費は3年間累計で1800億円超を配分。株主還元も、Boost2028の進捗も踏まえ早期に復配を目指すとした。
「Boost 2028では価値の創造から価値の提供へということで、包括的な成長戦略の議論を加速し、企業価値の向上を努めるのと同時に、財務規律も強く意識し、経営再建をより確実なものにしてまいりたい」-。木村社長はプレゼンの最後をこう締めくくった。
◎業績予測 コア営業利益は過去最高1070億円に修正「Reboot 2027の財務目標は前倒しで達成」へ
この日のオンライン会見に先立ち、26年3月期業績予想の修正を同社は公表した。売上収益は前回予想から200億円増の4490億円に上方修正。コア営業利益は、増収による売上総利益の増加に加え、販管費や研究開発費が円安による増加影響を除くと前回予想をやや下回る見込みであることから、前回予想から100億円増の過去最高益となる1070億円に上方修正した。木村社長は「これによりReboot 2027(2025-2027年度)の財務目標は前倒しで達成を見込むことができる」と力を込めた。
同社は2024年6月の新体制発足後、25年6月には監査等委員会設置会社に移行。25年5月に公表した「Reboot 2027」では、25~27年度を基幹3製品(オルゴビクス、ジェムテサ、マイフェンブリー)の売上拡大による収益基盤の安定化、さらに再生・細胞およびがん領域品目の事業化等の重要マイルストーンが集中する重要な時期と位置づけ、「価値創造サイクル」の再構築に向けた事業運営に取り組んできた。木村社長は、今期の業績修正でコア営業利益が過去最高益を確保できる見通しとなったことから、期中ではあるが新たに26年度~28年度の成長戦略「Boost 2028」を前倒しして策定に至ったとの経緯を説明した。
◎木村社長 公募増資最大1400億円 「更なる成長に向けた経営体質の強化が必要」
一方で木村社長はこの日のオンライン会見で、新株式発行による公募増資で最大1400億円の調達を行うと発表した。発行予定期間は26年3月10日から27年3月9日。使途は、研究開発資金、設備投資資金、投融資資金、運転資金および有利子負債の返済資金に充当する予定としている。木村社長は公募増資の理由について、「業績回復は進んできた。一方で今後のことを考えると更なる成長に向けた経営体質の強化が必要だ。そのために財務基盤を強化することは必須だと考えた」と述べ、「中長期的な戦略がより取りやすくなるということで増資に踏み切った」と理解を求めた。