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β遮断薬3成分 妊婦又は妊娠している可能性のある女性の禁忌削除 厚労省が添付文書改訂を指示

公開日時 2024/04/10 04:52
ビソプロロールフマル酸塩、ビソプロロール、カルベジロールのβ遮断薬3成分について、「妊婦又は妊娠している可能性のある女性」の禁忌を削除するなどの添付文書改訂が行われた。厚生労働省医薬局医薬安全対策課が4月9日付で、課長名で添付文書改訂を指示したことを受けたもの。

3成分とも、妊婦又は妊娠している可能性のある女性について、禁忌削除とともに、「特定の背景を有する患者に関する注意」で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することや、投与に際しては母体及び胎児の状態を十分に観察すること、出生後も新生児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は適切な処置を行うこと――などが追記された。

PMDAの調査結果報告書によると、3成分の妊婦への使用に関し、国内ガイドラインでは「カルベジロールとビソプロロールは妊娠中期以降では胎児発育不全や新生児β遮断症状のリスクとなるものの、妊娠初期の催奇形性や胎児毒性は否定的である」と記載されていると指摘。また、妊婦へのβ遮断薬の使用に関して、国内ガイドラインにおいて関連記載がある場合は「おそらく安全」とされており、欧米のガイドラインでは安全である旨が記載されているとした。

その上で、ビソプロロールフマル酸塩及びビソプロロールの妊婦禁忌の設定理由とされている胎児致死については、「ヒトでそのリスクを示唆する疫学研究結果は得られていない」。胎児・新生児の発育不全については、「ヒトでもリスクを示唆する疫学研究が報告されている。しかしながら、胎児及び新生児の発育不全は、母体及び児の状態を観察し適切な処置を行うことでは臨床的に管理可能」だとした。

カルベジロールの妊婦禁忌の設定理由とされている骨格異常及び黄体関連事象に関しては、「ヒトで当該リスクを示唆する疫学研究結果は得られていない」とした。

3成分とも米国、英国、カナダ、オーストラリアの海外添付文書で妊婦への使用は禁忌とされておらず、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合に投与すべきとされているとし、これも今回の禁忌削除の理由の一つに挙げた。

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