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日本イーライリリー 「患者共創」テーマに臨床開発部門で社内勉強会開催 患者の声を製品価値に活かす 

公開日時 2024/05/17 04:52
日本イーライリリーは5月15日、研究開発・メディカルアフェアーズ統括本部の臨床開発部門に所属する社員全員が参加して「患者・顧客の声を聴く能力・活動の更なる強化・推進」をテーマに社内勉強会を開催した。同日は、PPI(Patient and Public Involvement:患者・市民参画)の第一線で活躍する「医療開発基盤研究所(Ji4Pe)」の今村恭子代表理事を講師に招き、患者共創の観点からの医薬品開発への期待や、同社臨床開発部(CoLAB等)の印象などについて見解を聞いた。今村氏は患者や患者会が治療や新薬について聞く相手として、「お互いが見えていない」と指摘。企業側は患者共創の第一歩として、患者が抱く全ての“どうする?”を深堀し、「患者になって考えてみる?“ただしバーチャルですが・・・”」という取り組みを出席者に促した。

同社は、2025中期計画の基本方針に、「患者さんの内なる思いに耳を傾け、まさしくそのソリューションを共創し、患者さんの人生に豊かさをもたらす」との目標を明記している。加えて、①グローバル開発を通じて同時上市を達成し、革新的な製品をいち早く日本の顧客に届ける、②個々患者や世界中のリリーのために、製品の価値を高め、日本発のイノベーションを通じて新しい価値を提供する、③多様な人材パイプラインと組織能力を強化し、維持する―という重点エリアを設定している。実際に、日本イーライリリーのグローバル開発案件のカバー率は100 %で、2011年以降継続している。国内開発も66プロジェクト(2023年実績)が進行中だ。

◎今村代表理事 患者共創の第一歩として「自分が患者だったらどうする?」を考える

今村氏はこの日の講演で、「患者共創の第一歩として、自分が患者だったらどうする? どういうふうに行動する? 何を不安に思う? ということをシミュレーションして、そこの課題解決を考えてみては」と提案。「例えば(本当に病気にならずとも)バーチャルでもそういうところから気づきが生まれるのではないか」と述べた。また、「臨床開発の仕事は開発から承認取得までがタスク」としながらも、「患者の立場でいうと病気はずっと続いていく。製品にはライフサイクルマネジメントの課題も出てくると思うが、自分自身の目線をちょっと(患者共創の視点に)見直してみようっていうことも必要になるのでは」と問いかけた。

同社は、今回の講演会・ワークショップにPPIの啓発・推進活動で著名な医療産業基盤研究所(Ji4Pe)の今村代表理事を招聘した意図について、「患者さんの声を聴く活動を深ぼりし、その能力を高め、今後の活動に反映する目的で行われるもの」と明かしてくれた。

◎患者の声を聴き、インサイトを理解し、より価値の高いソリューションを提供する

この日の社内勉強会を開催した背景について同社はメディア取材に応じ、「日本の患者さんに世界レベルの革新的な医薬品を遅延なく届けるという開発戦略に加え、医薬品の開発を超えて、診断や治療法の確立、市販後の実際の服用にいたるまで、患者や医療従事者の声を聴き、インサイトを理解し、より価値の高いソリューションを提供することを重要視している」と強調した。なお、すでに取り組んでいる活動事案には、DCT(訪問型治験やリモート同意)などを活用した日常生活とほぼ変わらない環境下での治験の設計・開発などがある。また、RWD(Real World Data)やRWE(Real World Evidence)の活用、さらには患者さんや医療従事者を巻き込んだ医薬品・ソリューションの開発などに活かされているという。

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