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塩野義製薬の新型コロナワクチン・コブゴーズ、初回免疫のみ承認了承 アビガンのSFTSの追加も 第二部会

公開日時 2024/05/27 04:50
厚生労働省の薬事審議会・医薬品第二部会は5月24日、23年7月末の会合で継続審議とした塩野義製薬の新型コロナワクチンのコブゴーズ筋注について再審議し、初回接種に限定して承認することを了承した。同省担当者は「初回免疫と追加免疫の用法・用量で申請されていたが、今回はあくまで初回免疫の用法・用量に限定した形で承認して差し支えないという結論になった」と指摘し、「今後、追加接種に使うかどうかは、塩野義製薬の方で追加の一部変更承認申請を行う必要が出てくるという形になる」と説明した。

また、5月9日の前回部会で継続審議とした富士フイルム富山化学のRNAポリメラーゼ阻害剤・アビガン錠の「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染症」の効能追加について再審議し、メーカー側から新たに製造販売後臨床試験を実施する計画が提示されたことを踏まえ、承認を了承した。

◎武田薬品のCMV感染症治療薬・リブテンシティなどの承認も了承

このほか、武田薬品の臓器移植におけるサイトメガロウイルス(CMV)感染症治療薬・リブテンシティ錠(一般名:マリバビル)や、先駆け審査指定を受けている第一三共のEZH1/2阻害薬・エザルミア錠の末梢性T細胞リンパ腫の効能追加などの承認を了承した。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

コブゴーズ筋注(組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン、塩野義製薬):「SARS-CoV-2による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。優先審査。再審査期間は8年。

遺伝子組み換えタンパクワクチンで、起源株に対するもの。塩野義製薬は22年11月、18歳以上の初回免疫及び追加免疫による新型コロナの予防を予定適応として申請した。承認申請に用いた臨床試験は、初回免疫の対照薬はバキスゼブリア、追加免疫の対照薬はコミナティで、これらと中和抗体価を比較することでコブゴーズの有効性を評価する試験だった。

23年7月の第二部会での審議では、「対照薬の中和抗体価の値が通常想定される値よりも相当程度低い」との議論があり、有効性の評価が困難だとして継続審議となった。そして、申請後、審査中に参考資料として提出されたベトナムでの大規模発症予防試験(U0232 試験)のデータの信頼性を確認した上で、再度評価を行うものとされた。

U0232試験の結果から、プラセボに対するワクチン有効率[両側95%CI]は最終解析で34.2[21.9, 44.6]%であり、事前に規定した基準(両側95%CI の下限が30%を超える)は達成されなかったものの、試験がオミクロン株流行下で実施されたものと考えられ、起源株ワクチンであるコブゴーズの有効率はオミクロン株流行下では低下すると考えられることから、一定の予防効果が得られることは確認されたと判断した。

厚労省の担当者は事後ブリーフィングで「初回免疫として使うワクチンとしては承認できるということで、申請された用法・用量は初回免疫と追加免疫だったが、今回は初回免疫として1回0.5 mL を合計2回、通常、4週間の間隔で筋肉内に接種する、という形での承認をして差し支えないという結論になった」と説明した。

なお、国内メーカーの新型コロナワクチンは、武田薬品のヌバキソビッド筋注が初回免疫・追加免疫、第一三共のダイチロナ筋注が追加免疫、Meiji Seika ファルマのコスタイベ筋注用が初回免疫・追加免疫と、いずれも追加免疫の承認を取得している。

アビガン錠200 mg(ファビピラビル、富士フイルム富山化学):「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルス感染症」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬。再審査期間は10年。

RNAポリメラーゼ阻害剤。富士フイルム富山化学は23年8月末にSFTSの効能追加を申請した。承認申請に用いたSFTS患者を対象とした国内第3相試験は、主要評価項目を投与開始から28日目までの累積致死率と設定。その結果、致死率は15.8%(19例に投与され、3例が死亡)となり、事前に設定した閾値(12.5%)を上回ってしまった。

このため、前回24年5月9日の第二部会での審議では、「有効性について示されていると明確には言えない」として、追加の検討が求められた。その後、富士フイルム富山化学からSFTSウイルスのゲノム量を主たる評価対象として、製造販売後臨床試験で有効性について確認を行うとの提案がなされた。

また、臨床試験の閾値とされた12.5%は、真の致死率よりも低値であった可能性があるため、既存の論文などの情報も含めてメタアナリシスを行った結果、21~25%程度だったことが判明したという。

これらを踏まえ、抗インフルエンザ薬として承認された際にアビガン錠に付された「厚生労働大臣の要請がない限りは、製造販売を行わないこと」といった一部承認条件をSFTSには適用しないことを含め、承認を了承した。流通管理について、▽原則として入院管理下のみで投与する▽原則として患者が発生した後に納入する▽研修を受けて登録された医師のみ処方を可能とする―ことも了承した。

ザビセフタ配合点滴静注用(アビバクタムナトリウム・セフタジジム水和物、ファイザー):「本剤に感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、緑膿菌による敗血症、肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。再審査期間は8年。

セフェム系抗菌薬・セフタジジム水和物に、新規のβ-ラクタマーゼ阻害薬・アビバクタムナトリウムを配合した注射用β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤。薬剤耐性(AMR)対策への新たな治療選択肢として開発・申請された。

海外では、米国及び欧州で15年2月及び16年6月にそれぞれ承認され、23年3月時点で90以上の国又は地域で承認されている。

リブテンシティ錠200mg(マリバビル、武田薬品):「臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

経口投与可能なpUL97キナーゼ阻害薬。pUL97キナーゼとその天然基質を標的として阻害する最初で唯一の抗ウイルス剤。用法・用量は「通常、成人には1回400mgを1日2回経口投与する」。

海外では、21年11月に米国で、22年11月に欧州で既存の抗CMV療法に難治性(遺伝子型による抵抗性の有無を問わない)の臓器移植(造血幹細胞移植も含む)におけるCMV感染症に対する治療薬として承認され、24年2月時点で46の国又は地域で承認されている。

臓器移植におけるCMV感染症対策として予防的投与と先制治療が行われている。国内で先制治療に用いられる既承認の抗CMV薬にはガンシクロビルなどがある。予防的投与の位置付けでは、MSDのプレバイミスが承認されている。

タイフィム ブイアイ注シリンジ(精製Vi多糖体腸チフスワクチン、サノフィ):「腸チフスの予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

腸チフスの不活化ワクチン。用法・用量は「1回、0.5mLを注射する。通常、筋肉内に接種するが、皮下にも接種することができる」。

海外では、1988年11月にフランスで承認され、23年9月時点で、米国及び欧州を含む88カ国で製造販売承認されている。

タルグレチンカプセル75mg(ベキサロテン、ミノファーゲン製薬):「皮膚病変を有する成人T細胞白血病リンパ腫」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は5年10カ月。

合成レチノイドで、レチノイドX受容体に結合してアポトーシス誘導及び細胞周期停止作用により、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。日本では16年1月に「皮膚T細胞性リンパ腫」の適応で承認されており、今回の効能追加で用法・用量に変更はない。

海外では、24年3月時点において、成人T細胞白血病リンパ腫に関する効能・効果で承認されている国又は地域はない。

オムジャラ錠100mg、同錠150mg、同錠200mg(モメロチニブ塩酸塩水和物、グラクソ・スミスクライン):「骨髄線維症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

JAK1、JAK2の阻害に加え、アクチビンA受容体1型(ACVR1)阻害という3つ目の新規のシグナル伝達経路を阻害する独自の作用機序を持つ。用法・用量は「通常、成人には200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。

海外では、24年3月時点において、骨髄線維症に係る効能・効果で、30の国又は地域で承認されている。

国内で骨髄線維症の適応を持つJAK阻害剤として、ノバルティス ファーマのジャカビがある。

ハイイータン錠 50mg(グマロンチニブ水和物、海和製薬):「MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

経口MET阻害薬。用法・用量は「通常、成人には1回300 mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する」。

海和(読み:ハイヘ)製薬は、中国Haihe Biopharmaの日本法人。ハイイータン錠が日本進出の第1号製品となる。24年3月に大鵬薬品とグマロンチニブについて開発・製造・販売に関する独占的ライセンス契約の締結を発表している。

海外では、24年2月時点において、METex14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに関する効能・効果で、中国のみで承認されている。

なお、国内の同種同効薬にはメルクバイオファーマのテプミトコやノバルティス ファーマのタブレクタがある。

レットヴィモカプセル40mg、同カプセル80mg(セルペルカチニブ、日本イーライリリー):「RET融合遺伝子陽性の進行・再発の固形腫瘍」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

RETキナーゼ阻害薬。現在、RET融合遺伝子陽性の▽切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、▽根治切除不能な甲状腺がん、及びRET遺伝子変異陽性の根治切除不能な甲状腺髄様がん―の適応を持っており、今回、RET融合遺伝子陽性の固形腫瘍が臓器横断的に追加される。非小細胞肺がんと甲状腺がんは固形腫瘍の効能に含められる。

海外では、24年2月時点において、RET融合遺伝子陽性の固形腫瘍に対して5カ国で承認されている。

エザルミア錠50mg、同錠100mg(バレメトスタットトシル酸塩、第一三共):「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫」を効能・効果とする新効能医薬品。先駆け審査対象品目。再審査期間は残余(32年9月25日まで)。

EZH1/2阻害薬。22年9月に再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫の適応で承認されており、今回の効能追加で用法・用量に変更はない。

海外では、24年1月時点において、再発又は難治性の末梢性T 細胞リンパ腫(PTCL)に係る効能・効果で承認されている国又は地域はない。

PTCLは、非ホジキンリンパ腫(NHL)の一種。初発PTCLに対する標準治療は多剤併用化学療法だが、大半が病勢進行し予後が不良であるため、再発又は難治性のPTCLには高いアンメット・メディカル・ニーズがある。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター(ベリムマブ(遺伝子組換え)、グラクソ・スミスクライン):「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は残余(25年9月26日まで)。

完全ヒト型抗BLySモノクローナル抗体製剤。17年9月に成人の既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデスの適応で承認されており、今回は小児用量を追加する。

小児用量は「通常、5歳以上の小児には、1回200mgを、体重に応じ以下の間隔で皮下注射する。40kg以上:1週間の間隔。15kg以上40kg未満:2週間の間隔」。

セルセプトカプセル250、同懸濁用散31.8%(ミコフェノール酸モフェチル、中外製薬):「全身性強皮症に伴う間質性肺疾患」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。

今回追加する全身性強皮症に伴う間質性肺疾患の用法・用量は、「通常、成人には1回250~1000mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3000mgを上限とする」。

欧米において全身性強皮症に伴う間質性肺疾患に係る効能・効果で承認されていない。

アレモ皮下注15mg、同皮下注60mg、同皮下注150mg、同皮下注300mg(コンシズマブ(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスク ファーマ):「血液凝固第Ⅷ因子又は第Ⅸ因子に対するインヒビターを保有しない先天性血友病患者における出血傾向の抑制」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は残余(33年9月24日まで)。

抗TFPI(組織因子経路インヒビター)モノクローナル抗体。現在の効能・効果は、インヒビター保有の血友病A及びBに関するものであり、インヒビター非保有を追加する。用法・用量に変更はない。海外では、24年1月現在、カナダ等の3カ国で承認されている。

パラプラチン注射液50mg、同注射液150mg、同注射液450mg(カルボプラチン、クリニジェン):「子宮体がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。事前評価済公知申請。

今回追加する子宮体がんに対する用法・用量は、「他の抗悪性腫瘍薬との併用において、通常、成人には1日1回AUC5~6mg・min/mL相当量を投与し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、投与量は、年齢、疾患、症状により適宜増減する」。

海外では、欧米等6カ国(米国、英国、ドイツ、フランス、カナダ及びオーストラリア)において、子宮体がんに対して承認されていない。
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