沢井製薬 ニトロソアミンの分析研究ラボを神戸ポートアイランドに開設 試験法開発や実測を実施
公開日時 2024/12/03 04:48
沢井製薬は12月2日、発がん性物質であるニトロソアミン類の分析研究に特化した「神戸分析研究センター」をポートアイランドの神戸キメックセンタービル内(神戸市中央区)に開設したと発表した。物性研究部のサテライトラボとして、複数台のニトロソアミン分析用装置を導入。試験法開発難易度の高い品目や分析優先度の高い品目の試験法開発や実測を行うほか、社外分析受託会社や社内分析部門への試験法の技術移転も進めていく。12月2日から業務を始め、本格的な試験法開発は12月下旬以降を予定しているという。
ニトロソアミン類をめぐっては、一部医薬品への混入が相次いで検出され、自主回収されるに至っている。厚労省は21年10月に通知を発出し、自主点検を行うよう企業に求めており、沢井製薬でも800品目超の製剤に対してリスク評価を実施。リスクがある品目は社外分析受託会社にニトロソアミン類の測定を委託していた。
一方で、厚労省の通知発出後も複数の品目で有効成分由来のニトロソアミン類の許容限度値が報告され、それらの試験法開発がボトルネックとなって評価スケジュールに遅延が生じていた。こうした状況から、同社における深い製品理解や新製品の開発研究で培ったニトロソアミン分析技術を活用していくために、ニトロソアミン分析研究に特化したラボを設置した。