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元議員らの「創薬イノベーション再興の会」が提言 総薬剤費名目成長率保証調整メカニズムの導入を

公開日時 2025/05/14 04:46
前回の衆院選挙で落選した自公の前国会議員7人らをメンバーとする「創薬イノベーション再興の会」は5月13日、総薬剤費名目成長率保証調整メカニズムの導入などを柱とする提言を公表した。「安全保障と経済成長を包摂する中長期的ビジョンとして、次期骨太方針2025もしくはその上位戦略として盛り込むことを強く求める」としている。

◎「医療費成長率調整メカニズム」の検討も提言

提言では、医療給付費のうち薬剤費部分を中長期的な名目GDP成長率に沿って伸ばす「総薬剤費名目成長率保証調整メカニズム」によって管理し、財源枠の上限と下限をあらかじめ数値で示すことを盛り込んだ。これにより、「財源捻出に伴う突発的で機械的な薬価引き下げが制度上発生しない予見性の高い環境を整える」としている。

新たなメカニズムでは、まず中長期的な経済成長率と連動して薬剤費の年間伸び率を設定し、その範囲を保証する形で薬価改定を行うと説明。物価や人件費、為替などの経済指標連動のパラメータを導入し、開発リスクや原材料費の高騰が一定幅で価格に転嫁できる仕組みを用意するとしている。これにより、「医療費の伸び率を健全な水準に維持しつつ、革新的医療技術への継続的投資を促進する、予見可能で持続可能な財政運営が実現する」としている。

このシステム導入後の検証を踏まえつつ、医療費全体の伸びを中長期的なGDP成長率相当は確保する、いわゆる「医療費成長率調整メカニズム」の検討も提言した。

◎「新費用対効果制度」の導入を提言 広汎な価値要素を組み込んだ価値評価への抜本的改善を

費用対効果評価のさらなる活用が議論となるなかで、「この制度の最大の課題は、制度の妥当性・適切性を十分に評価されないままに発出された評価結果が、そのまま価格引き下げに直結するため、革新的な新薬の市場導入や開発に対する企業の意欲を削ぐ点にある」と指摘。「実質的にCost とQALY のみの求心的な運用となっている現在の不透明なプロセスを検証・改善し、広汎な価値要素(仕事への影響や介助者・家族等の健康状態、社会的インパクト)を組み込んだ価値評価への抜本的改善を行うことが重要」として、“新費用対効果制度”の導入を提言した。

提言は、①価値評価を正しく取り込める新「費用対効果」制度の導入、②国民対話プラットフォームの整備、③医療安全保障タスクフォースの設置とローバリュー医療の段階的退出、④予見可能な「総薬剤費名目成長率保証調整メカニズム」等の導入-が柱。伊佐進一氏、渡嘉敷奈緒美氏、橋本岳氏、丸川珠代氏、三ッ林裕巳氏、山田美樹氏、鷲尾英一郎(前衆)らが参加し、新時代戦略研究所(INES)が事務局を務めている。
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