あすか製薬HD ダルトンらの株式大規模買付行為で「対抗措置」導入 社外取締役による独立委員会設置
公開日時 2025/07/03 04:51
あすか製薬ホールディングスは7月1日、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツによる同社株式の大規模買付行為への対抗措置を導入すると発表した。議決権比率が22%以上となる買付行為に対し、事前に必要情報の提出と評価期間を設ける。また、原則として株主意思確認総会を通じて買収への賛否を問うこととした。さらに、対抗措置として、非適格者に対し新株予約券(ワラント)を無償割当し、実質的に買収の影響を緩和・阻止することなども盛り込んだ。このほか、社外取締役による「独立委員会」を設置し、公正に運用を監督するとした。
同社によると、ダルトンらによる株式の急速な買い集めが進んでおり、2024年7月時点の約8.71%が、25年5月に約20.49%となり、「議決権割合を22%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為等(大規模買付行為等)を行う蓋然性が相応に高いと合理的に判断できる」と強調。今回導入する対億措置は、企業価値および株主の共同利益の最大化に資するとの結論に至ったと説明している。
今回導入した対抗措置は、特定の買収者が企業支配を目的に大量の株式を取得しようとする場合に行う買収防衛策。新株予約権(ワラント)を無償で割り当てることで、買収者の持ち株比率を希薄化させ、支配権取得を困難にする狙いがある。さらに、この予約権については買収者以外の株主に割り当てるため、買収者は行使できず、結果として議決権の影響力が低下するとしている。
発動条件は議決権比率が22%以上となる買付行為が対象。買収者は事前に情報提供を行い、企業側は評価期間を設けて内容を精査する。また、企業側は、原則として株主意思確認総会を開催し、株主の賛否を問うとした。ただ、緊急性が高い場合や手続きに違反があった場合は、株主総会を経ずに取締役会の判断で即時発動される可能性のあることにも言及している。
◎取締役会の公正性と客観性を高めるため、「独立委員会」を設置 社外取締役3氏で構成
同社は、ダルトンらによる大規模買付行為への対応策の導入に際し、取締役会の公正性と客観性を高めるため、「独立委員会」を設置した。委員会メンバーは業務執行に関与しない現任の社外取締役3氏で構成。委員は、M&A戦略アドバイザーズ 代表取締役の粟林稔氏、パナソニック代表取締役専務を務め、創援代表取締役社長の榎戸康二氏、日本医学会連合理事、日本医学会幹事、内閣府食品衛生基準審議会委員を務める苅田香苗氏を選出した。