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【中医協費用対効果評価専門部会 11月12日 議事要旨 製薬業界・医療機器業界からの意見陳述と質疑】

公開日時 2025/11/13 04:50
中医協費用対効果評価専門部会が10月15日に開かれ、費用対効果評価制度の見直しについて製薬業界・医療機器業界から意見陳述を行い、その後質疑を行った。本誌は、主に医薬品に関する質疑について、診療・支払各側の発言内容を議事要旨として公開する。

【意見陳述者一覧】
(医薬品業界)
・日本製薬工業協会会長 宮柱明日香氏(日本製薬団体連合会副会長)
・米国研究製薬工業協会在日執行委員会委員 勝間英仁氏
・欧州製薬団体連合会会長 岩屋孝彦氏

(医療機器業界)
・一般社団法人日本医療機器産業連合会副会長 宮田昌彦氏
・一般社団法人米国医療機器・IVD工業会会長 玉井孝直氏
・一般社団法人米国医療機器・IVD工業会保険委員会委員長 鴨川幸子氏
・欧州ビジネス協会 医療機器・IVD委員会副委員長(診療報酬部会担当) 田中良一氏



(業界意見陳述の説明は略)

飯塚部会長:ありがとうございました。それでは一通りご説明をいただきましたので、これより質疑に移りたいと思います。ご質問、ご意見等ありましたらよろしくお願いします。では江澤委員お願いいたします。

江澤委員:業界からのご説明、誠にありがとうございます。まず総論としまして、薬価と材料の両方に当てはまることかと思っておりますけれども、今回は保険収載時の価格設定と費用対効果の価格調整の手法に違いがあるのが不合理ではないかという観点からのご提案をいただいたと理解しております。

しかしながら、薬価や材料価格は保険収載時の評価であるのに対し、費用対効果は保険収載後の価格が標準的な方法と比較して費用に見合った効果があるかどうかという、全く別の視点から検討する仕組みであります。したがって、両者に差異があるのは当然のことと思いますけれども、その点について、コメント等ありましたらよろしくお願いしたいと思います。

続きまして、資料「費-1」(費用対効果評価制度改革に関する意見)の製薬団体からのご説明についていくつか質問をさせて頂きます。まず、業界意見の概要「A」の「追加的有用性が示されず、費用増加となった場合」についてです。今回のご意見は、比較対照品目と比べて追加的有用性が示されなかったとしても、薬価算定時に認められた有用性自体は否定されるものではないということだったと思います。

類薬と比較して、収載時に費用対効果的には、追加的有用性がないと判断されたにもかかわらず、薬価上は加算がついていたわけですけれども、この点についてどのようにお考えかお伺いしたいと思います。

すなわち、資料「費―1」7ページの薬価算定における「有用性」と費用対効果評価における「追加的有用性」について、両方に「〇」がついている項目もございますけれども、このあたりが明確に切り分けられるものなのかどうか、お考えを伺えればと思います。

次に、前回の部会でも示されておりますが、諸外国においては比較対照技術に対する追加的有用性が示されない場合、比較対照技術の価格を基準として同等の価格またはそれ未満の価格が設定されるなどの対応が行われているということでありますけれども、諸外国において代替薬の価格を基準に価格が決められていることは、好ましくないというか、不当であるとお考えになられているかどうか、この 「A」項目について、この2点をお伺いさせていただければと思います。

続いて、業界意見の「B」の第三者を交えた客観的な検証をするべきという点についてです。費用対効果評価専門部会は、多様な委員により構成され、所掌事務として費用対効果評価制度導入の在り方を調査審議するとされているところです。本部会は、費用対効果評価の実務とは機能を分けつつ、制度運用の検証を担っており、第三者性、客観性は確保されていると考えておりますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。また、現状の仕組みについて問題点があればご指摘いただければと思います。

最後に、イノベーションの推進は当然行っていくべきと思っておりますが、高額薬剤の薬事承認も目白押しの中で、他国と違うのは、我が国には国民皆保険という医療保険制度の仕組みがある中で、近年、長年にわたり持続可能性ということについて議論がなされているわけですけれども、その辺の持続可能性について何かコメントがあればよろしくお願いしたいと思います。

次にもう一点だけ。「費-2」(医療機器業界の意見陳述資料)について質問をさせていただきます。3ページのところでございます。RCT がない場合の代替案として、費用結果分析あるいは費用比較分析のご提案があったというふうに理解しております。この費用効果分析は、これまでのICERを用いるような費用対効果の分析に近いものだと理解しておりますけれども、その点とそれから費用比較分析は、効果が同等であることを前提として、その上での比較というものの分析だというふうに理解をしているところでございますが、こういったものが代替案として活用できるのかどうか、あるいはそういった手法が可能なのかどうかについて教えていただければと思います。私からの質問は以上でございます。

飯塚部会長:はい、ありがとうございます。何点かご質問ありましたので、まず製薬団体の方からご回答がありましたらお願いします。

宮柱・製薬協会長:江澤委員ありがとうございます。我々に対して5つ質問をいただいたと認識しております。一つずつお答えをさせていただきます。

まず、質問1のところにありますが、薬価、そして材料価格について、保険収載時の価格であるのに対して、費用対効果における費用に見合った収載後の価格が標準的な方法と比較して費用に見合った効果があるかというところで、全くの別の視点からそもそも見ているのではないかと。それに対して追加のコメントというところで認識をしております。

資料「費―1」5ページ(薬価算定における「有用性」と費用対効果評価における「追加的有用性」の違い)に示しておりますとおり、薬価算定時点では有用性系加算という形で新規性あるいは治療方法、こういった改善を含む臨床上の幅広い有用性が評価されているところでありますし、この後に続く費用対効果評価では、薬価算定時点ですでに有用性が認められた新薬のうち、指定された新薬を対象として、薬価制度の補完としての位置づけで評価がされるというふうに認識しております。

したがいまして、プレゼンテーションでも申し上げましたとおり、新薬の有用性というところは薬価算定時点で既に認められており、その後の追加的有用性の評価でも結果的にそれがないものと見なされるところは適切ではないと業界として考えております。これは追加的有用性が示されず、費用増加となった場合においても同様であるというふうに考えております。

質問の2つ目についてです。類薬と比較して収載時に費用対効果的には追加的有用性がないと判断されたにも関わらず、薬価上加算がついて、この点についてどのように考えるかという点であるかと思います。

これにつきましては、追加的有用性が示されず、費用増加となった品目の価格調整範囲を拡大することは自然な考えであるか如何かという質問かと捉えております。こちらも、資料「費―1」5ページに示す通り、薬価算定時点では有用性系加算という形で新規性や治療方法の改善を含む臨床上の幅広い有用性が評価されますし、この後に続く費用対効果評価での算定時点においても、先ほどのご説明のとおりかと思います。

また、資料「費―1」10ページ(具体的事例・「追加的有用性」の評価に関する企業分析と公的分析の不一致の要因)で示した通り、追加的有用性の評価に関する企業分析、そして公的分析の不一致の要因が多岐にわたることが示されておりますので、追加的有用性の評価自体の検証も行っていくことが重要であると考えております。

質問の3点目になりますが、諸外国の状況と比較してどうかというところでございます。おっしゃるとおり、まず薬事承認された医薬品が原則60日あるいは90日で薬価収載されて患者さんに新薬がお届けできるというのは、日本にとって本当に素晴らしい仕組みであると考えております。

この優れた制度を維持するためにも、諸外国の制度を参照する際には、やはり各国の社会保障、医療制度の違い等も十分に考慮していく必要があると考えております。例えば、ドイツ、フランスといった諸外国においては、企業の申請価格、いわば自由薬価を何かしらの物差しで妥当性を判断する必要がありまして、その一つの手段に追加的有用性の有無、費用効果分析も加えるなど、そういったものが含まれております。

日本においては、薬価制度を基に費用対効果評価はあくまでも補完の位置づけにあると我々は捉えておりまして、従いまして、ドイツ、フランスを始めとする諸外国を参照する際には、そういった背景の違いも十分に議論、考慮をする必要があると考えております。

質問の4点目、第三者の関与と課題というところかと思いますが、我々が申し上げております第三者を交えた客観的な検証というものが具体的にどのような対応かというところをご説明させていただきます。

第三者におきましては、現在の厚労省であったり、国立保健医療科学院、そして費用対効果評価専門組織等の現制度の関係者に加えて、例えば試行導入以降の関係者として元の中医協委員であったり、医療経済専門家や医療政策、疫学、公衆衛生、そして統計の先生方、また重要なのは実際に診療を行っている臨床医の先生方、あるいは関連学会、さらには我々企業サイド、業界団体などを想定しております。

費用対効果評価分析は本当に複雑でありまして、個別の事例について妥当であったかどうかについて、その評価結果を検討する必要があると考えておりますし、そういった機会を設けていただくことが制度の信頼性、そして透明性の確保に資するものであると考えております。

最後に皆保険制度の持続可能性についてのコメントです。我々としても医療財源が非常に逼迫している中での意見陳述となっていることを十分に理解しておりますし、こういったところを関係者の皆様としっかり議論していく必要があります。我々製薬団体としましては、4団体から陳述で申し上げたとおり、日本の患者さんに、いかに早く革新的な新薬をお届けするか、ここに注力してまいりたいと思いますし、ドラッグ・ラグ/ロスを引き起こさない、そして安定供給をする、国民の健康そして命を守る。こういったところに貢献していきたいと考えております。以上でございます。

飯塚部会長:はい、ありがとうございます。 
(※医療機器との質疑は略)

飯塚部会長:はい、ありがとうございます。ご回答いただきましたが、江澤委員いかがですか。
江澤委員:丁寧なご回答ありがとうございます。前段の「費-1」の5ページの説明ですが、非常に難しい問題だと思いますけれども、薬価収載時の有用性と追加的有用性について、追加的有用性が示されず費用増加した場合に、薬価収載時の有用性に影響を及ぼさないというお考えだったと思われますが、追加的有用性が示されず費用増加した場合に、薬価収載時の有用性の評価に抵触するものではないのか。あるいは影響を全くしないものとしていいのかどうか、多分お立場もあって、いろいろお考えが違う部分だと思いますけれども、臨床的には同じ疾患をターゲットにして、いろいろ既存の治療と比較したりしているので、その点が今後の課題だと思います。お互いに共有できればというふうに思っています。

もう一点は資料「費―1」の10ページに、企業分析と公的分析の不一致の要因が出ておりますけれども、これが公的分析のプロセスなどに、課題があるとお考えかどうかわかりませんけれども、このあたりについて企業のお立場として、なぜ不一致が起きているのかとか、ここをどのようにすれば解消できるかについては、引き続きご検証いただければと思っております。どうもありがとうございました。

もう一点、資料「費―2」(医療機器業界の意見陳述)ですが、いずれにしても費用結果分析の方も費用対効果を見ていく指標の物差しの一つではありますし、それから費用比較分析については効果が同等であることを前提とした上で比較してどうなのかというものだというふうに思っています。

恐らく医療機器も非常に幅広い多様な製品がございますから、なかなか一概には言えないと思うのですけれども、いきなりこれが実用できるかどうかっていうのは、非常にまだまだ準備なり、いろいろ必要だと思いますから、また引き続き、客観的に評価できるものについては、また業界団体としてご検討いただければと思います。どうもありがとうございます。

飯塚部会長:はい、ありがとうございます。森委員お願いいたします。

森委員:ありがとうございます。ご説明いただきありがとうございました。医薬品関係でいくつか質問をさせていただきます。江澤委員と若干被るところもありますけど、ご容赦いただければと思います。

費用対効果評価制度が運用されて6年が経過して45品目が終了し、実績が蓄積されてきたと思っております。そうした中で、いくつかの課題、例えば比較対照技術の選定や、不確実性に対する対応等の課題が出てきていますけども、現行制度が基本方針に沿って本来の目的を果たしているかを検証することが一番重要な視点であるかと考えております。

業界として第三者を交えた客観的な検証を提案しています。先ほど第三者の構成についてご説明をいただきました。具体的な対応ですけども、資料「費―1」の9ページ(薬価制度に関わる新たな仕組み導入の提案を踏まえた客観的な検証の必要性)にあるようなもの、それから資料「費―1」10ページの企業分析と公的分析の不一致の要因等がありますけども、こういうことを含めてどのようなことを希望されているのか、もう少し教えていただきたいというふうに思っております。

それから資料「費―1」11ページ(主な論点と意見)の比較対照技術の選定ですけども、適切な評価を行う上で重要なポイントだと考えております。臨床実態と異なる技術が選定されることがないことを要望されていますが、臨床実態と異なる技術が選定されたという事例がこれまであったのでしょうか? あれば具体的な事例等についてお示しいただきたいのと、その時は協議があったのかどうかということも踏まえて教えていただければと思っております。

それからもう一つ。ICERに関しては一定の不確実性があるということですけども、そのために区分で幅を持たせているというふうに理解しています。そもそも不確実性を最小化していく取り組みというものが重要だと考えますけども、業界として何かお考えがあればお願いしたいと思います。

それからもう一点教えていただきたいのが、資料「費―1」8ページ目の価格調整範囲の拡大が適切でないと考えられる品目のところで、①のユルトミリス点滴静注ですけれども、薬価算定時に有用性ありということで、注射の頻度が4分の1となって患者負担の軽減につながるということですけども、費用対効果評価時ですけれども、これは薬剤の投与間隔の延長が健康QOL の定量的な向上につながったかどうか評価できなかった、ということですけども、直接的に評価することができなかったことが費用増大になったわけではなくて、これは例示として、ここのところの価格調整範囲の拡大が適切でないという例示として示したのか教えていただければと思います。以上です。

飯塚部会長:はい、ありがとうございます。医薬品業界からお願いします。

宮柱・製薬協会長:森委員ご質問いただきましてありがとうございます。まず一つ目として、本来の目的としての費用対効果評価の検証というところでございますが、まず第三者的な観点というところでは、先ほど江澤委員のご質問に回答申し上げたところでありますし、どのようにしていくべきかというところに関しまして、具体的な内容としまして、これまでの中医協でも報告した通り、運用上の整理に加えて、個別論点に対して深く議論を行いたいというふうに考えております。

本日提示しました通り、検討項目の一つ目として、資料「費―1」10ページに挙げた具体的な実例がございます。追加的有用性の評価に関する企業分析、そして公的分析の不一致の要因を調べると、その要因が多岐にわたることが示されております。

個別の事例に対して追加的有用性の判断が公平性に足るものであったのか、あるいは配慮が十分であったか、さらには企業分析、そして公的分析の意見の不一致についても、個別に判断の妥当性について、また一貫性について十分に検証して、より良い制度への検討を進めていく必要があると考えております。

二つ目のご質問に関して資料「費―1」11ページ目であると思いますが、実態としての事例というところであります。分析ガイドラインにおける比較対照技術の選定の原則というものは幅広く使用されており、新薬によって置き換わるものと、かつその中で効果が高いものである、それにもかかわらず市場シェアが低く、また幅広く使用されていると考えにくい選定事例がいくつか確認をされております。

約2年前の中医協でも資料を提出させていただいたと記憶しておりますが、具体的には GIP/GLP-1受容体作動薬の事例におきましては、当時の市場シェアが1%未満のものが比較対照技術に選定されていた。別のGLP-1受容体作動薬の事例では、当時のシェアが同じく2パーセント程度のものが選定されていた。また、全身型重症筋無力症の事例では臨床実態そもそもの考え方について、企業と公的な立場での主張に大きな相違があったというふうに伺っております。

企業と公的の主張に相違があるというのは、双方で議論していくというのは制度の仕組み上で想定されていることであると考えておりますが、過去の対象品目において、このような事例があったということで、議論を振り返り、決定内容の妥当性、そういったものを、しっかりと議論、そして検証していくことが重要ではないかというふうに考えております。

3点目はICERに関する不確実性の点での質問であったかと思います。まず価格引き上げの状況についての認識をいただいて感謝を申し上げたいと思います。ご認識のとおり、2024年4月に制度改正が行われた中で、価格引上げ要件の一部を緩和いただきましたが、現在までに引上がった事例はないという認識でおります。


実際には、要件の緩和のみではなくて、費用対効果に優れた結果を得られる必要があり、これが一つの大きなハードルになっていると考えられますので、ぜひ過去の評価品目も含めて、仮に要件の緩和等を行った場合でも、実際に引上げとなる事例があるのかどうなのか、こういったところを検証いただきたい。

ICERの不確実性に関してはご理解のとおり、一般的には本当に不確実性の高い指標であるというふうに考えております。分析条件等を議論させていただく中で、それらを最小化するように取り組んではおりますが、なかなか不確実性をゼロにすることは難しい。したがいまして、意思決定の際には、その不確実性を踏まえた十分な考慮をするということが重要だと考えておりますし、現制度において一つの方法が区分の幅であるというふうに理解をしております。

しかしながら、これまでの実績を振り返りますと、区分の幅では十分でない状況としまして、例えば分析条件の一部を変更することで結果が変わってしまう。こういった場合も散見されておりますし、こういった感度分析等に関しまして、最終的な意思決定である価格調整には基本的には用いられない。区分での幅のみでの考慮で十分であったのか、そういったのも含めてで検証いただきたいというふうに考えております。

4点目の質問にあったユルトミリスの事例については、岩屋さんからお答えします。

岩屋・EFPIA会長:ご質問ありがとうございます。私の方からユルトミリス点滴静注につきまして、分かっている範囲でお答えさせていただきます。本件につきましてはレクビオ同様、薬価算定時におきまして有用であるという形で評価をされて加算をいただいた部分について、実際にその価格評価、費用対効果評価の段階におきましては、その有用性というのが評価をされないことによって、結果的には価格調整された事例でございます。

ユルトミリスにつきましては、もう議論の中でこの薬剤の注射の頻度が4分の1になりますと、この点につきましてのQOLの改善について、企業側がお示しをしているものに対する評価というのが、見解として一致しないと。これが2回繰り返されて、結果的には有用性加算の部分についての評価を受けないまま価格調整された。そのように理解をしております。

飯塚部会長:はい、ありがとうございます。はい、森委員お願いいたします。

森委員:はい、ありがとうございます。今のユルトミリスは費用対効果の中で追加的な有用性としては評価されなかったということですよね。そのことが費用増加につながったわけではなく、ただ評価をされなかったという理解でよろしいですね。

岩屋・EFPIA会長:有用性加算として評価をされた点について、評価されなかったということでございます。

森委員:はい、分かりました。ご説明ありがとうございました。重要なことは、本制度の第2ステージに向けて、費用対効果評価制度の成熟度を上げるために客観的な検証を進めていくことだというふうに思っております。

今お伺いして感じたのは、特に追加的評価が妥当であったかということを考えると、企業分析と公的分析の不一致の要因というものをしっかりどういうものだったのかっていうのをしっかり見ていくということも重要なことではないかというふうに思っています。

それから、あともう1点、比較対対照技術の選定ですけども、もちろん選定が難しくて決まらない場合、協議することになっていますけれども、企業として何か意見がある場合には、しっかりと国立医療技術院と十分に協議を行って、両者がしっかりと合意した上で、対照技術を選定していくべきと考えます。私からは以上です。

飯塚部会長:ありがとうございます。それでは引き続きご質問、ご意見、はい、小阪委員お願いいたします。

小阪委員:ちょっと気になるのが 資料「費―1」の13 ページに「追加的有用性が示されず費用増加」であっても、薬価算定時に認められた 有用性が否定されるものではない」とあるが、否定されないことはわかるのですが、価格調整を拡大すべきではないと述べられておりますが、そうするとやはり比較対照技術よりも高くなるんです。

いま国はフォーミュラリを進めようとしている。これを進めていくということは、最低価格で同等の効果を得られる場合、最低価格の薬を使うということなので、要するに(薬価が)下げられなかった薬は少なくとも第1推奨薬にはなりえない。だからそこにある追加的有用性というのは腎不全に使えるとかいろいろとありますから、否定しませんが、やはりある程度の条件を付けて第2推奨薬に落とすような運用が恐らくフォーミュラリではされると思います。

ですから、価格もそうですが、どのような形で適正に薬を使っていくか、その辺を推奨ガイドラインに書くのか、もしくはフォーミュラリを本当に国が作って全国に広めるのか、そういうことを考えていかないと、野放しにやって追加的有用性の関係ない方にも高い薬を使って医療経済を潰してしまうのは非常に問題なので、この運用に関してはかなり慎重にやっていただければと思います。

飯塚部会長:はい、ありがとうございます。他にはいかがでしょうか。松本委員お願いします。

松本委員:はい、業界からのご説明、どうもありがとうございました。私の質問しようとしたことが、他の委員からほぼ出ましたので、私からは1点だけお尋ねしたいと思います。

医療機器についてです。資料「費―2」(医療機器業界の意見陳述資料)の 6 ページにチャレンジ申請の特例についての記載がございますけども、特例的に費用対効果の評価が対象から外すことを提案しておりますけども、チャレンジ申請というものは企業の意思によって行われるものだというふうに認識しております。こうした企業の意思によって費用対効果評価を適用するかどうか変わるということに関して、これは業界にお伺いすべきものなのか、あるいは事務局にお伺いするものなのか、 2つあると思うんですけども、ご意見があったらお伺いしたいと。この 1点お願いしたいと思います。

(※医療機器との質疑は略)

飯塚部会長:はい、ありがとうございます。松本委員いかがですか。はい、業界のご意見は意見として承りました。もし事務局長ご意見があればお願いできればと思います。

事務局:医療技術評価推薦室室長です。こういった制度全般でございますが、基本的には公平性の観点というところは重要でございますし、何らかの基準を設けて、それに合致する場合には対象になるということが、制度上は求められるだろうというふうに考えております。

飯塚部会長:松本委員よろしいですか。

松本委員:ありがとうございました。

飯塚部会長:引き続き、ご意見ご質問等ございますでしょうか。よろしいですか。私からも一点質問があるんですけれども、資料「費-1」の7ページ(薬価算定における「有用性」と費用対効果評価における「追加的有用性」の違い)で、有用性というのが 2つあるというふうな形で整理いただいているように思います。1つ目の行(臨床上有用な新規の作用機序)と、4つ目の行(製剤工夫による高い医療上の有用性)、これは費用対効果の評価では用いられないと。薬価算定時には用いるけれども、費用対効果の評価時には用いられない。

 2番目の行(類似薬に比した高い有効性又は安全性)と3番目の行(対象疾病の治療方法の改善)は、費用対効果評価で分析されるということで、「〇」と「△」がついているということなので、一つの考え方はこの2つのタイプというのを分けて、費用対効果の評価の結果を用いるべきというふうにも聞こえるのですけれども、そのようなことで業界の認識はどうなのか。ご質問になります。

宮柱・製薬協会長:ありがとうございます。こちらにお示したのは、事例として相違がある部分ということでお示ししております。ご指摘の通り、それぞれの評価項目における妥当性であったり、例えば企業分析、そして公的分析での相違であったり、いろいろな観点からの分析評価を丁寧にするというのが我々の主張というふうになっております。

岩屋・PhRMA会長:いま宮柱会長がおっしゃられたとおりでございますけれども、ここでお伝えしたかったのは、有用性系加算につきまして評価をされている項目が、現状の費用対効果評価制度では評価をされないことがある、ということでお伝えしております。

評価をされない部分について外して別立てにすべきっていうところまでを申し上げているわけではございません。いま費用対効果評価制度の運用について検証している中で、こういう課題もあるということをご指摘させていただいたものと承知しております。

飯塚部会長:はい、わかりました。ありがとうございます。追加でご質問等ございませんか?ありがとうございました。ご意見ご質問も出尽くしたようですので、関係業界からの意見陳述につきましてはここまでとさせていただきます。本日の議題は以上です。次回の日程につきましては、追って事務局より連絡いたします。それでは、本日の費用対効果評価専門部会は、これにて閉会とさせて頂きます。

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