アイリーア不競法訴訟 差止認められず 最高裁、サムスン側の特別抗告を棄却 バイエル「重要な先例」
公開日時 2026/01/27 04:49
バイエル薬品は1月26日、眼科用VEGF阻害薬・アイリーアをめぐり、サムスンバイオエピスが不正競争防止法(不競法)に基づき差し止めを求めていた仮処分申立について、サムスン側の抗告を棄却した知財高裁の決定が確定したと発表した。本件は、東京地裁が2024年12月にサムスンの申立てを却下。続く知財高裁も25年8月13日にサムスンの抗告を棄却した。さらに25年12月12日に最高裁が特別抗告を棄却したことで一連の手続きが終結した。バイエル薬品は、「これら手続きの終結を受け、本件を公表する」とした。
アイリーアはバイエルとリジェネロンが共同開発したもの。米国以外での独占的販売権をバイエルに許諾しているリジェネロンに対し、サムスン側が訴えを提起していた。争点は、パテントリンケージ制度に基づき先発品企業が厚生労働省及びPMDA(以下、厚労省等)に行った特許に関する情報提供が、不競法上の不正行為に該当するか否かだった。
バイエル薬品によると、知財高裁は、▽医薬品の製造販売の承認は行政処分であり、自由競争が行われる取引社会における取引とは性質が異なる、▽後発医薬品の承認審査の過程で厚労省等に対してなされる特許抵触の有無に関する情報提供により、(後発品の)申請者の経済的価値に対する社会的評価を形成することは想定されていない――ことなどを指摘。その上で、「先発医薬品の特許権者等が、厚労省等に対し、後発医薬品の製造販売等が特許権を侵害する旨の情報提供をすることは、不競法2条1項21号の『他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知』することには当たらないと解するのが相当である旨判示した」としている。
◎バイエル薬品 「パテントリンケージ制度下における特許関連情報提供に関する重要な先例」
バイエル薬品は、今回の決定について、「パテントリンケージ制度の目的と不正競争防止法の目的に基づく適切かつ合理的な判断を示しており、パテントリンケージ制度下における特許関連情報提供に関する重要な先例を提供するもの」だとコメント。そして、「特許に係る適正な情報提供を根幹とする同制度の運用を維持する上で重要な決定であると考えている」としている。